こんにちは。とうとう本日から近畿で梅雨入りという情報が出ましたね。平年は6月7日頃には梅雨入りするそうですが、昨年は6月20日頃だったことを考えると、今年は大体平年通りというところでしょうか。
ともかく、この業界は雨が降ると色々と動きに制限が出てきますので、早く明けてくれることを祈るばかりです。
さて、本日はこのブログでよくご紹介している、Microsoftの「ホロレンズ」。いわゆるMR(拡張現実)デバイスですが、それを使った画期的なソリューションが提供開始されたそうなのでご紹介いたします。
出典:有限会社宮村鉄工
建築鉄骨業製造支援ソリューション
こちらは、主にビルなどの鉄骨を作る際におこなわれる「罫書き」の作業を効率化するソリューションデバイスとなっています。開発は有限会社宮村鉄工。
罫書きといえば簡単に言えば位置合わせの為の作業。鋼材に接続金具や他の部材を取り付ける予定の位置に印を付ける作業です。実はこの罫書き作業は、ベテランの職人さんをもってしても時間の掛かる作業なんです。当然経験の少ない人は大変な作業になります。
これをホロレンズを利用して、誰にでも罫書き作業を効率的にできるようにしたのが、建築鉄骨業製造支援ソリューション。3D CADのデータを利用して、ホロレンズ上に完成後の鋼材を重ねることで、図面と完成物の関係性を捉えることができます。
出典:有限会社宮村鉄工
これが通常の鋼材の状態。この何もついていない鋼材に対して、図面を見ながら罫書き作業を行います。ここに、ホロレンズを使ったソリューションを使用することで、、
出典:有限会社宮村鉄工
このように、完成後の状態がそのまま鋼材に重なって見えるようになります。これを見ながら罫書き作業をすれば良いだけ。罫書きの忘れやミスなどもありません。
ソリューション利用により解決できる課題
熟練技術の継承
図面と完成物の関係性を直感的にとらえることが可能。熟練工の図面展開能力を得られる。
利益率向上
完成物の把握が短くなることで工作時間が短縮。また、図面展開ミスによる手戻りも削減できる。
業界イメージの向上
業界の3Kのイメージから、先進的・クリーン・簡単など、ポジティブイメージへの転換が期待できる。
ソリューションを使用した結果
このソリューションの効果を分かりやすく判断するために「入社30年目のベテラン職人」「入社6年目の一般職人」そして「罫書き経験の全く無い事務員さん」で、それぞれソリューションを使用した実験をおこなったそうですが、その結果以下のようになりました。
出典:有限会社宮村鉄工
それぞれの工程の合計時間が、ベテラン職人で50分かかった所を、全く未経験の事務員さんでが15分で終了しています。驚くべき効率化ですね。
まとめ
全く未経験のしかも事務員さんが操作をしてベテラン以上の効果を出している、という分かりやすい効果が出ています。やはり未経験者が使えること、技術の継承ということを考えると、全てとは言いませんが、ソリューションは誰が使っても一定の効果が得られるものでないといけないと思います。
使うために専門知識やある程度の経験が必要になる、というものでは改革を起こすほどのものにはならないでしょう。そういう意味ではこのご紹介したソリューションは、鉄骨業の働き方を一新するインパクトがありそうです。