こんにちは。昨年辺りからドローンの産業利用が活発になってきていますが、今年に入りその動きはさらに広まってきているのを感じます。
ドローンと言えば屋外での撮影を中心とした利用が主ですが、業界では下水などの屋内での活用も進めている状況です。屋外とは違い、屋内の場合は電波や可視飛行等の問題があるので、ドローン開発を手掛ける会社は色々と実験をしている段階でしょうか。
ブルーイノベーションがFlyabilityと提携
そんな中、先日ドローンのソリューションプロバイダーであるブルーイノベーション株式会社が、Flyabilityと業務提携をしたというニュースがありました。Flyabilityはスイスの会社で、点検分野に特化したドローン機体の開発をしているベンチャー企業です。
ブルーイノベーションでは、屋内点検の分野で下水管点検や地下トンネル点検などのドローンシステムの開発・実験を進めており、その屋内点検のために最適なドローン機体を検討していたようです。
出典:ブルーイノベーション
以前の記事「地下の狭小空間を自律飛行で調査できるドローン」では、三菱地所株式会社、丸の内熱供給株式会社、株式会社Liberawareの4社合同で、丸の内オアゾの周辺地下の配管のある狭小空間でドローン点検をするという実験がおこなわれていましたね。
その際に使用されていたドローンは、衝突回避センサーや複数カメラでの空間把握から自律飛行が可能というものでしたが、その機体ではまだ不安定だったのでしょうか?
Flyabilityのドローン機体「Elios」
出典:ブルーイノベーション
Eliosというこの見た目に特徴的なドローン機体ですが、狭小空間での作業時に一番懸念される、配管などとの接触がおこらないように、ドーム型の保護フレームが装着された形で稼働します。しかし、これだけであればそんなに珍しくもなく、どこでも考えつきそうなものですね。
ではブルーイノベーションが業務提携をした最大の理由は?
屋内点検で懸念されるコンパスエラーがない
この点にブルーイノベーションは着目したそうです。コンパスエラーとは、ドローンに搭載されているコンパスセンサーが電磁波や電波の影響でエラーを起こし、正常な方角を認識できなくなるエラーです。
このエラーが出てしまうと極端な話、方向があべこべになるようなもので、前に飛ぶものが後ろに飛んだりしてしまいます。
これは狭小空間での自律飛行をおこなう上で致命的なものです。しかし、このFlyability社の「Elios」にはこのコンパスエラーは起こらない(100%かどうかは?)そうで接触のない安定した飛行が可能とのこと。
その他の特長としては
Eliosの特長
1.かんたんな操縦、誰でもすぐに操作可能
操縦経験は必要なく、パッケージを開けてバッテリーを挿入するだけで、衝突・損傷・負傷といった心配もなく、安全に飛行させることができます。どのような場所でも離着陸させることが可能。
2.高解像度を実現するオールインワンソリューション
Eliosは完全は暗闇の中でも最大0.2mm/pxの画像を撮影・配信可能。これまで点検が難しかった箇所も、LED照明とサーモカメラにより点検が可能に。
出典:ブルーイノベーション
まとめ
以前の、丸の内オアゾの地下配管の点検をおこなった記事で使われていたドローン機体は、Eliosのような保護フレームはありませんでしたが、複数のカメラによって画像から位置情報を認識するというシステムで飛行をおこなっていました。
が、やはり多少なりともコンパスエラーの問題が起こり解決しなかったものと思われます。ドローンに関してはいくらシステムが優れていても機体が安定して安全に飛行できるというのが、まず1番に求められるところですね。