こんにちは。本日は夕方から雨の予報で明日週末から少し冷え込む予報が出ています。体調には十分気を付けていきましょう。
さて、昨今の色々なテクノロジーの中でもApple社が本気で取り組みだしたという、AR技術は取り分け注目度が高い技術になっています。建設業界でもMicrosoftのHoloLensを活用した現場でのAR技術の活用はこのブログでも何度か取り上げてきました。
本日は造船の分野でのARの活用技術をご紹介したいと思います。
造船の生産性向上にAR技術を活用
昨日、福岡造船株式会社が、富士通株式会社・株式会社富士通マーケティングと、AR技術を活用した船舶部品の管理システムを共同開発、運用を開始したとのニュースが発表されていました。
ARで部品をどう管理するんだという所ですが、部品にARマーカーを貼り付けることで紙ベースでおこなっていた部品ごとの図面確認や広大な資材置き場に置かれている部品の追跡をデジタル化するというもの。
開発背景
福岡造船では年間約8隻の化学薬品タンカーを建造しているそうで、1隻あたりの配管部品の数は、約1万5千点。その膨大な数の部品の組み立てをおこなっています。
出典:富士通
現場には日々複数の業者から多くの部品が届けられますが、現場作業員は大量にある紙の図面を見ながら、広大な資材置場に置かれている部品を見つけます。
その際の図面との照らし合わせに負担が掛かりますし、時に部品の選択ミスも発生します。それ以外にも置き場が不明なことによる混乱など、現場の効率化が課題になっていたようです。
ARシステムの導入効果
出典:富士通
1.現場の作業効率向上
1万5千点におよぶ配管部品に貼り付けられたARマーカーをタブレットで読み取ることで、部品の種類・取り付ける位置・部品の図面、などの情報が入手可能。また、配管納入業者が入力した製造状況や納品状況も把握することができ、部品在庫の確認も即時可能となります。
設計変更になった際でもARのマーカーからの情報で注意点を見ることができるので、部品の取り付けミスからの後戻り作業を削減できます。
2.作業実績の見える化で管理精度向上
配管取り付けの作業実績をARマーカーに入力することで、現場の管理者は作業状況をリアルタイムに把握することができ、空いた組み立て場所を有効活用したり、作業員の最適な配置が可能に。
まとめ
資材置き場に1万5千点も部品が置かれている状況を見るだけでもウンザリしそうですね。それを大量の紙の図面を見ながら探すのですから、これまでの経験で探しやすいようにはされているとは思えど、大変であることには変わりありません。
部品の置き場が不明になるなんて考えたくない自体ですね…。しかしARがこれを解決。
ARがあればデジタルデータは空間を通してタブレット表示できるようになりますし、HoloLensであれば自分の視界に表示できます。効率化の妨げとなるような紙は淘汰される時代ですね。