こんにちは。ブログでも何度も取り上げている建設現場でのドローンの活用技術。かなり業界全体に広まりつつあり、今年はさらに数多くの技術がでてくることと思います。
弊社にいただくお問い合わせの中でも、ここ最近はドローンに関するものが殆どです。建物の調査をするにしても、従来の方法よりも効率的かつ予算も抑えられるというイメージ?があるのか、一般的にもかなり注目度が高くなっていると感じられます。
都心部の建設現場でドローンを活用した施工管理実証実験
出典:siteware
三井不動産は、2015年にCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を設立し、積極的にベンチャー企業との事業共創に取り組んできています。そのCVCの出資先であるベンチャー企業の「siteaware」と、ドローンの施工管理活用の実証実験をおこないました。
ちなみにベンチャー企業の「siteware」はイスラエルの企業で、建設現場向けの測量ソリューションなどを提供するドローン企業。元イスラエル軍に所属していたドローン研究者や測量部隊の司令官を務めたトップエンジニアが立ち上げたそうです。
ドローンと言えば、もともとは軍事用に開発された小型無人航空機(UAV)。その制御技術の高さは建築現場では世界最高クラスの精度を誇っているそうです。
siteware社の技術ポイント
・高精度の機体制御技術
・飛行ルート設定、撮影、3Dモデルの作成までワンストップで対応できるソフトウェア
・連続カメラ撮影の誤差が1cm程度の3Dデータ作成が可能な精度の高さ
実証実験の内容
実証実験の内容としては、siteware社の独自開発したフライトコントローラーシステムを用いドローンの自律飛行を使い、三井不動産が再開発組合の一員として推進している「日本橋室町三丁目地区第一種市街地再開発事業A地区」の現場にて空撮。および施工中の建築物の3Dモデルの作成をおこなったそうです。
出典:三井不動産
フライトは全てタブレットで設定する自律飛行。取得データは勿論クラウド上で全て管理されるようになっており、工事の進捗管理、計測、関係者間の情報共有のツールとしても活用をおこなっていくとのこと。
出典:三井不動産
siteware社の強み
sitewareはハードというよりは、ソフトウェアなどの制御部分に圧倒的に強いようで、ビルの側面にも5m近くまで接近できたり、ドローンを水平方向だけでなく、垂直方向にも高精度に制御可能。ちなみに国内で垂直方向までを制御できるドローンは存在しないようです。
それだけの制御技術があることから、高価なカメラやセンサーを搭載することなく高精度なデータを得られるようで、実際今回活用したドローンはDJI社の汎用ドローン「Phantom4」。
特に特殊な装備やカメラを付けることもなく、独自開発のフライトシステムで制御しているだけだそうで驚きですね。高価なドローンも必要とせず、汎用ドローンでも高価な機器を取り付けることなく、高精度なデータが得られるのは他社には真似できない部分です。
まとめ
ドローンは高額であるほど安定性があって高性能、というイメージを持っていましたが、制御システム次第で自在に運用できるんですね。各プロペラの出力設定などを細かくシステムで制御するのでしょうか?
流石に元軍のドローン研究者。空気力学など知り尽くしているでしょうし、モノが違うというところでしょうか。ちょっと目から鱗です。今は黎明期なのでドローンのソリューションを提供する側も増加してきていますが、意外と合併や撤退など淘汰が進むのも早いと感じます。