IoTで建方の生産性を向上!建方管理システムの建方キング

sugitec

こんにちは。一気に暖かくなりましたね。本日はあいにくの雨ですがそれでも凍えるような寒さもなくなりました。しかし、明日からまた寒の戻りがあり寒くなるようなので、風邪をひかないように体調管理しっかりしていきましょう。

本日は建築物などを建てる方法で「建方=現場で構成材を組み立てること」と呼ばれるものがありますが、その建方作業をIoTを使って効率化する技術のご紹介です。

建築建方のさらなる生産性の向上を実現

このシステムは熊谷組グループであるテクノス株式会社が、株式会社きんそく、近畿大学と共同で開発したものになります。システム名は建方精度管理システム「建方キング」。

これは鉄骨などを組み立てる建方作業の際に建方精度の計測結果を視覚情報化する、所謂、見える化できるようにするシステムです。複数の人がモバイル端末で同時にリアルタイムで建方精度を確認できるようになっています。

システムの開発背景

御存知の通り、昨今の建設業界は熟練者の高齢化と、業界での就業者の減少による人手不足が深刻化してきています。業界では計測業務に関しても熟練した技術者や、経験の豊富な人材を必要とする作業が多くあり、現場では多くの人員と時間が割かれています。

現場の監理業務においても、従来方法の場合はリアルタイムに指示を出すということが難しいものになっており、現状では計測結果を出してその確認後に指示を出すという流れになるので、多くの時間が掛かり効率が良いとは言えません。

この建方作業の効率化を図るために開発に至ったそうです。

建方キングとはどんなシステム?

これは無線LAN(WiFi)を利用して、計測者の計測した建方精度情報を、タブレットなどのモバイル端末にリアルタイムに表示させるというもの。モバイル端末には鉄骨の平面と高さなどの位置情報が、視覚的に図と数値によって表示されます。


出典:熊谷組

従来の作業方法では、2名の計測者が建方の作業者に鉄骨の位置情報を無線機によって伝達。それで鉄骨の位置を修正するという手法をとっていましたが、この建方キングによって1人で計測することが可能になり、無線機で交信するということも不要になります。


出典:熊谷組

視覚化された計測情報は計測者と建方作業者だけでなく、工事監理者とも共有できるようになっており、タイムラグがない建方作業ができるようになっているそう。

システムの3つのメリット

1.容易で確実な建方精度の確保
リアルタイムな計測データの表示。作業者は手元の端末で確認しながら建方の位置調整ができるので、従来方法よりも容易に確実に建方精度が確保できる。

2.作業効率化・生産性向上
従来の2名での作業と違い、1人で計測が可能となり無線交信も不要となるので作業効率が格段に向上。ちなみに従来方法の場合、建方調整作業8本あたり、約40分を要していたものが、システムを利用することで約16分で作業が完了。約40%の短縮が図れる。

3.コスト低減
作業が1人でできるようになったことで、約30%のコスト低減が図れる。

まとめ

従来の無線機で交信しながら位置を調整するというやり方は、確かにアナログ的で煩わしいと言わざる得ません。しかも視覚的に分かるものではないので、この作業には熟練作業員が必要になっていたというのも頷けます。

無線交信がWiFi通信となり端末で視覚化される。これであれば計測者の計測したデータをリアルタイムに作業者が確認しながら作業ができるので、作業員としても仕事がしやすいですね。

それにしても、あらゆるシステムでスマートフォンやタブレットが使われていますね。ここから先はスマートフォンやタブレットを持つことですら煩わしくなるような時代になってくると思います。

おそらく次に主流となるのがメガネ型のスマートグラスと言われています。最早画面を見るのではなく、自分の視界に情報が出て来るような時代。テクノロジーの進化で10年後くらいには建設業界はもっともっと働きやすい環境になっていることだと思います。

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