赤外線センサー搭載スマホで素早く地形を把握

sugitec

こんにちは。もう2月も来週で終わりです。やはり2月は早いですね。3月は多くの企業さんが年度末となるので慌ただしくなってくることと思いますが、余裕を持って望めるよう準備していきましょう。

本日はまたもや大林組さんのリリース情報。先週から今週に渡り立て続けに技術リリースをしています。勢いがありますね。ご紹介するのは、スマートフォンを使った地形を素早く測量できるというスマートフォン用アプリサービス。

スマホアプリ「スマホdeサーベイ」

これは「スマホdeサーベイ」アプリの入ったスマートフォンを持って画面を表示しつつ、データを取得したい現場の位置を歩いていくだけで、点群による3次元地形データが即座に取得できるというもの。スマホで点群データが取得できるのは凄いですね。


出典:大林組

開発の背景

豪雨や地震などの際に伴って発生する可能性のある土砂災害。土砂災害が起こると流出した土砂が道路や鉄道などのインフラを塞いでしまうことがあります。

当然その周辺住民の生活に深刻な影響が及ぼされてしまいますので、出来る限りの迅速な復旧作業が求められます。

復旧作業の際には、まず現状把握をおこないその地形を測量するところから始まります。従来の測量は現場でよく使われている、皆さんも一度は目にしたことがあるでしょう、トータルステーションという三脚のようなものを立てた機材でおこないます。


出典:大林組

ただ、この従来の方法では測量結果を得たとしても地形を把握するためには、いったん測量データを事務所に持ち帰り、パソコンで座標の計算ー図面化という手順が必要になります。

その為に、実際に現場で作業に着手するまでに時間を要するという問題がありました。

スマホdeサーベイで効率的な流れに

このアプリを使うことで上記の問題は解決。これは赤外線センサーを搭載したスマートフォンに入れたアプリで、点群の3次元地形データをその場ですぐに取得することが可能なものとなっています。


出典:大林組

地形の断面のみを取得したい場合は、断面測量用のガイド線を表示させることも可能とのこと。トータルステーションに比べても計測時間が大幅に短縮できる上に、取得した点群データはすぐにパソコンなどに送れるので、効率的に地形の安全評価や搬出土量の計算をおこなうことが可能となっています。

スマホdeサーベイの特長

1.スマホで短時間で簡単に地形を測量

従来のトータルステーション測量の場合、最低でも5m間隔で計測する必要があったが、スマホdeサーベイの場合は赤外線センサー搭載スマホの画面を見ながら、現場を歩くだけで簡単に地形の計測ができる。

従来方法と比較すると、現地作業時間を90%以上も短縮。さらに10cm以下の小さな起伏も捉えることができる精度と、最大で約500㎡の範囲まで3次元地形データを取得可能。


出典:大林組

さらに、AR技術も実装されており、スマホの画面にガイド線を表示でき、それに沿って歩くだけで簡単に断面を測量することも可能。

2.地形の測量と安全性評価、搬出土量の計算の同時処理が可能

従来の方法では、現地の測量結果を事務所に持ち帰りパソコンへ入力。そこで座標計算をして図面化されていました。

スマホdeサーベイの場合は、現地で取得したデータをスマホの画面上ですぐに確認できる上に3次元点群データ・CADデータなどの他、任意の断面図の出力が可能。スマホのメール機能でデータを送信することで、測量と並行して地形の安全評価や工事に伴う搬出土量の算出ができます。

まとめ

スマホで測量ができる、と聞くと簡易的なものだろうというイメージを抱いてしまいますが、全くそんなことはない本格的な測量が可能なアプリですね。

トータルステーション作業と比べて90%以上も作業時間が短縮されるのは驚きです。ここまでの効率化ができるとなると利用しない選択肢が無いレベルです。

しかもそれだけでなく、もう一歩進んでAR機能まで盛り込んでいるのは驚きです。これであればARのガイドに沿って歩くだけで計測ができるので、経験のある無しや誰が計測するのかは関係なくなります。

土砂災害時の迅速な復旧にと開発されているようですが、災害時の危険な状況にある現場での測量となると、自律運転で測量をするドローンやロボットが出てきそうですね。

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