こんにちは。相変わらず寒い日が続きますね。今月も全国的にまだまだ平年より冷え込み日が続きそうな予測が出ていますので、体調管理をしっかりとしていきたいものです。
寒い日には必須の暖房ですが、部屋の中が効率的に温まっているか?空気の流れはどうなっているか?は当然目には見えないものです。温度に関しては温度計などで見れるものの曖昧といえば曖昧ですね。
そんな目には見えないものを、ARで可視化できるようにしたシステムが開発されたそうです。
室内環境が可視化される「環境ウォッチ」という技術
こちらは富士ソフト株式会社さんと安藤ハザマさんの共同開発による技術で、ARというと毎回ほぼ必ず出てくるマイクロソフト社のMR端末「HoloLens」が環境ウォッチでも活用されています。
出典:安藤ハザマ 室内の気流解析結果の表示
環境ウォッチの特長
1.温熱、気流などの事前解析結果や計測結果を、現実世界に実スケールでAR表示できる。
2.専門家でなくとも、3次元空間内の温度・気流分布の解析・計測結果を、ARを用いて現実の空間と結びつけることで容易に理解できる。
3.現実空間と3Dオブジェクトが統一された座標系で結びついているため、空間内を動き回った際も表示は追従する。
4.現実空間内の特徴的な形状を不動点と定めるので、別途特別なマーカーを設置する必要がない。
5.解析や計測を通じて得られる温度や気流の分布は、多様なファイル形式で環境ウォッチへ入力可能。この融通性でBIMとの親和性も高まる。
6.1つの解析・計測結果に対して様々な表示方法が選択可能。
定まった1点から見るだけでなく、動き回ってもオブジェクトが追従してくるのは当たり前ですが便利ですね。そしてその位置を定めるためのマーカーの設置がいらない点や、BIMとの親和性に考慮されたデータ形式となっているのも素晴らしいです。
環境ウォッチ開発の背景
室内空間の温度や気流の分布は目で見ることはできないため、空調設計者、施工者、建物利用者間での空調計画の意図などを共有することが困難で、快適な室内環境を提供するという点で課題でした。
出典:安藤ハザマ 室内の温度分布表示例
それに対してこれまではCFD(数値流体力学)や現地計測で把握された室内温熱・気流環境を、VRなどさまざまな方法で可視化をおこなったものの、現実空間と結びつけて理解するという所が困難だったようです。
そこで現実世界に仮想空間のホログラフィックを表示できるHoloLensを活用した開発に至ったそう。
今後の展開
活用面では、竣工検査時の空調設備の確認と室内温度計測支援や、建物引渡し時の顧客とのコミュニケーションツールとして、施工現場へ積極的な展開を図ることを考えているそうです。
また、技術開発面では例えばサーモグラフィーとHoloLensとの連携を確立し、リアルタイムでの温度分布の可視化等に取り組み、システム活用の幅を広げることや、温度・気流だけでなく汚染物質の拡散等の可視化にも取り組んでいかれるとのことです。
まとめ
本当に快適な室内空間になっているのか?いまいち専門的な分野で分からないということと、目には見えないものなので説明を受けても顧客側としては、理解はできるが納得しずらいという面はあったと思います。
今までイメージでしか表現できなかった部分が可視化されるようになったことで、顧客にとってより満足度の高いサービスになるのは間違いないですね。
個人的にはサーモグラフィーとの連携がどのようになるのかが気になります。