こんにちは。3次元のモデルデータに属性情報までが付いているBIM/CIM。昨今の建設業界ではBIM/CIMの活用が広がりを見せているのは皆さんもご存知のことかと思います。
ただ、これまでBIM/CIMが普及する以前に管理していた建物などの場合、基本的には2次元の平面図面しか持っていないということも多いと思います。
平面図から3次元のBIM/CIMモデルを構築するのにはそれなりに大きなコストも掛かりますので、ここを効率的に解決することができれば、更なるBIM/CIMの普及に繋がるのは明白です。
図面分析のクラウド型人工知能サービスのβテスト開始
そこでその問題を解決すべく、建設系ベンチャー企業のCONCORE’S株式会社が、人工知能を活用した図面分析のクラウド型AIエンジン「aoz cloud(アオズクラウド)」のβテストを開始するそうです。
出典:aoz cloud
アオズクラウドとは?3つの目標
出典:aoz cloud
1.BIM/CIMモデルの自動生成
2次元の平面図を画像データとして扱い、図面上に記載されている情報を読み取って人工知能分析で自動的に解釈。平面図面からオブジェクトと高さ情報を検出し、情報付きの3次元モデルを自動的に生成します。
出典:aoz cloud
2.数量拾いの業務支援
面積・体積などを自動的に検出可能。CADや積算ソフトでの算出と異なり、人と同じように形状から判断するため余分な作業も発生しません。
出典:aoz cloud
3.帳票類の自動作成
複数図面をルールに基づき分析することで、配筋検査で使用する野帳など、人が図面を読み取り作成している帳票類の自動作成を可能にします。
この中でも特に平面図からのBIM/CIMモデルの自動生成がインパクト大ですね。情報がない既存建物へBIM/CIMを活用することを考えるとどうしてもコストの面が課題になってきます。
これが平面図に記載されている情報から自動で作成が可能になれば、大幅なコスト削減になる他、活用されずに眠っている既存の図面の有効活用もできそうです。
現在、CONCORE’S株式会社ではゼネコンをはじめとする数社の建設業、関連企業などと共にβテストを開始するそうですが、人工知能の精度をさらに高めるために、引き続きテストに参加するパートナー企業を募集しています。
まとめ
建設業は今後10年で100万人以上も離職するとみられ他の業種と比べても深刻といわれています。なのでこういった人工知能をはじめとするテクノロジーの活用は業界全体として必須となるでしょう。
IoTや人工知能など、ここ1,2年で話題に上がることが本当に多いですが、単にブームになっているから話題になっているというレベルは既に超えていて、実際に建設業に限らず様々な分野で実用化が進んできています。
近い将来はAIに関しても電気や水道、インターネットのようにインフラ化して、当たり前に日常に溶け込んでいる時代がきそうですね。