こんにちは。マンション、アパートや貸店舗などの建設業務や、不動産管理業務で有名な大東建託株式会社さんの方で、このブログでも度々ご紹介しているマイクロソフトの「HoloLens(ホロレンズ)」を営業支援ツールとして活用しようというニュースリリースがありました。
ちなみにホロレンズとは?
もう多くの人はご存知かもしれませんが、ホロレンズとは、マイクロソフト社が今年の1月から法人や開発者向けに提供を開始した、頭に装着する形のAR(拡張現実)デバイスです。
出典:Microsoft
目の前の現実世界に3Dの仮想物体を重ねて見ることができます。もう一方で話題となっている仮想現実を表現するVRとの違いは、現実世界が見えている状態で3Dデータを表示できる点です。
営業支援ツールとして「ホロレンズ」を試験導入
営業支援ツールとしてとありますが、具体的な利用方法としては「ホロレンズ」を装着し、建物の建設予定地を眺めると、そこに実物大の大きさのバーチャルな建物が現実世界に融合する形で現れます。
この見せ方は、今までの紙媒体やWEB広告などの2Dデータの媒体では当然表現できなかったことで、これにより理解のしにくかった完成イメージを、立体的でよりわかりやすく表現することが可能になります。
出典:大東建託
写真や動画では味わえない臨場感を体験することができ、実物大の建物の印象や完成後の周辺環境との親和性などをリアルに確認できるという点は、こういったデバイスの強みですね。
想定されている利用シーン
・建設予定現地にて、完成予定建物の実物大スケール・周辺環境との親和性・日当たりなどを確認
・建設予定地現地に行けない方(遠隔地オーナー等)に、ご自宅や大東建託事務所にて、1/30スケールに縮小した完成予定建物をご覧いただき、外観デザインなどを確認する
・いつでもどこでも、居室内の内観イメージを実物大で確認
・ホロレンズで見た映像を動画データにしお渡しすることで、ご自宅で家族全員で確認可能
ホロレンズ導入の背景
大東建託さんでは、賃貸建物の提案時においては、カタログや図面などでは伝えきれない完成イメージをお伝えするために、様々なツールを活用しているそうです。
基幹商品でもある低層建物の提案時には、エクステリア・インテリアの3DCGパースを提示できるタブレット端末を活用。中高層建物などの特注建物の提案時には、建物模型を活用。
首都圏の計画地では、敷地に合わせた個々の提案を必要とする狭小地が多く、殆どが特注建物の提案になるようで、今回ホロレンズを導入・活用することで、特注建物の需要の多い首都圏エリアでの提案の質の向上を図るという目論見です。
まとめ
提案の時点でまだ形の無いものを提案する、というのは難しい事ですし理解を得るには苦労もありますね。紙媒体などの2次元でイメージを見てもらう、というのは今までの常識であり、勿論その手段のみが有効な業界もあると思います。
建設業界などの3Dデータを扱える業界では、こういったデバイスがあることで、もう一段上の提案ができる環境が作れるというのは大きな武器になるでしょう。
実際に今回ご紹介したものは、3ヶ月間試験的に運用を試みた所、現場や顧客からの反響が予想以上に大きく、営業支援ツールとしての有用性の高さを確認できたことで、結果的に計画を前倒ししての本格運用に至ったそうです。
今後こういった確認・提案方法が、デバイスの普及と共に当たり前になる時代は近いと言えそうです。