こんにちは。本日は建築工法の中でも積み木のように建てる工法についての話題です。
通常の建築工法のように、建ててから内装などの仕上げをしていくのではなく、そもそも内外装を工場で仕上げておいて、それを運搬し現場で積み木のように組上げて建てるという工法になります。
積み木のように積み上げて建てる工法
この工法は「モジュラーコンストラクション」と呼ばれ、プレハブ工法に似ていますが別ものです。海外ではこの工法での建築が増えているようです。日本では鉄骨造内外装仕上げのユニットを開発した、株式会社サトコウが「SSUT工法」というサービス名で数多くの建築実績をあげています。
出典:サトコウ
様々な問題点を解決するSSUT工法
短納期と高品質を両立させるというのは、今までの建築のやり方ではとても難しい問題です。短納期にしようと思うとどうしても粗くなる部分が出てくる…逆に品質を上げようとすると時間がかかる…しかし、この工法はこれらを解決してしまいます。
天候に左右されない工場で、外壁・内装まで一貫生産。通常であれば現場でそれらの作業はおこなわれますので、当然天候状況にも左右されますし、足場を使った高所作業も発生します。それらを解決し、高品質と短納期を実現。そして安全性も向上するという、まさに革新的な工法と言えますね。
出典:サトコウ
上の図は従来のRC工法と、SSUT工法との納期比較ですが圧倒的な短納期ですね。
このSSUT工法ですが、構造的な制限により最大で8階建てまでしか対応できないようです。しかし、三井住友建設と共同で現在「スクライム-サット工法」という工法を開発中とのことです。
三井住友建設では、高層・超高層住宅の躯体構築において、工場生産した部材を用いた「スクライム、スクライム-H」という工法と、労務の平準化・品質管理合理化・工期短縮を目的とした「DOC工法」を組み合わせ、1フロアを最短で3日という早さで施工しています。
これらの工法とSSUT工法を融合させることで、それぞれの利点を活かすのが「スクライム-サット工法」ということです。
出典:三井住友建設
今後の業界の人手不足が予想される中、圧倒的な省力化を図れ、高所作業も少なく安全性も向上する。そして全ての部材は工場生産なので、工期短縮の他に建築廃棄物の削減も図れます。
まさに今の時代に即した革新的技術ですね。東京オリンピックに向けて高まるインバウンドに伴い、ホテルなどのニーズは増え続けるでしょう。これからこのモジュラーコンストラクション工法が広まってくるのは間違いないですね。