こんにちは。本日で長かった夏季休暇も終わる企業様も多いかと思います。お休みは故郷に帰省したりする方が多かったでしょうか?
省人化の為のロボット利用
お盆が終わると日増しに日も短くなり、夏も終わりになっていく。ヒグラシの声が聞こえるあの感傷的ともいえる雰囲気。四季はいいものですね。
さて、 本日はロボットと人が強調しながら工事を進めていくという、清水建設の「シミズ スマートサイト」というシステムのご紹介です。人工知能やIoTで仕事の効率化が進む建設業界ですが、全ては既存の働き方の改革をおこない、人手不足の解消とより良い職場環境を目指すための取り組み。
ちなみによく言われている「省力化」と「省人化」とは少し意味が違います。「省力化」は単位仕事あたりの人の労力を減少させること。一方の「省人化」は単位経済活動あたりの労働時間を減少させることになります。
つまりは最終的な目的を果たすために必要のない仕事はやらない、ということが労働時間の減少になりますが、当然やる必要のない仕事をやる人なんかはいないので、技術的な部分で自動化することで仕事をやらないようにする、ということになります。
シミズ スマートサイトはロボット技術で、工事の70%以上を省人化することを目指しているそうです。想定されているイメージとしては、4機のロボットをロボットの統合管理システムからの作業指示に基づき指示。
出典:清水建設 シミズ スマートサイトのイメージ
ロボットは自分自身の位置を認識しながら現場内を移動し、施工対象物も認識しながら自律的に稼働するそうです。(ロボットの統合管理システムへはタブレット端末で操作が可能とのこと)
稼働状況や作業の結果なども、全て統合管理システムにリアルタイムに反映・蓄積。そのデータはタブレットで確認ができるようになっています。
ロボットでれくらい省人化できるのか?
その省人化率の見積もりですが、30階建、基準床面積3,000㎡クラスのビルに適用した場合、揚重・搬送作業で75%(約2,500人)、天井・床施工で75%(約2,100人)、柱溶接作業で70%(約1,150人)の計6,000人以上もの省人化ができるようです。
これは劇的な効果ですね。その効果でロボット建機やシステムの導入に掛かる費用も、数棟に転用することで減価償却できます。
ちなみに4機のロボット建機はこんな感じです
タワークレーン「Exter」
このタワークレーンは、従来の屈伸型のものとは違い、水平方向に伸縮できるのが特徴。200mクラスの超高層ビルにも適用できるスペックで、全天候カバーと合わせることで解体工事にも対応。
出典:清水建設
完全自動溶接ロボ「Robo-Welder」
所定の位置まで誘導させることで作業員が見守る必要もなく、完全自動で溶接をおこなうことができるロボット。1本の柱に対して2体のロボットが対になり溶接作業をおこなっていきます。溶接済みになった個所をリアルタイムに、非接触で品質検査ができるシステムも導入されるようです。
出典:清水建設
天井・床材を施工「Robo-Buddy」
レーザーセンサーとBIMデータ情報の照合で自らの位置を認識し、指示された場所まで自動で移動が可能。画像センサーとレーザーセンサーで施工部位を認識し、二本のロボットアームで下地材の組み立てや、天井ボードの取り付け、ビス留め、パネルの設置などを自動でおこなえるようです。
出典:清水建設
資材を自動搬送「Robo-Carrier」
こちらもレーザーセンサーとBIMデータの照合で自らの位置を把握。支持された場所まで資材を自動的に搬送します。障害物などがあると自動的に搬送ルートを自らで再設定し、目的地まで確実に搬送する機能も持っています。
出典:清水建設
こうやって見ると面白いですね。ロボットが活躍する現場。子どもの興味を惹きそうです。もう少し分かりやすくインパクトのある名前を付ければ話題になりそうですが、それは望むところではないのでしょう。
ちなみにロボットではないですが、戸田建設さんの開発したジャイロクレーンの名前は「ジャイアン」だそうです。ジャイロ機構で強風に影響されない安定感を生み出す。「ジャイロ」で「安定」で「ジャイアン」。インパクトありますね笑 インパクトがあるし現場でも覚えやすく呼びやすいと思います。
今後、全てロボット任せで人が完全にいない現場、というのはおそらく無いとは思いますが、様々な現場でこのようなロボットが活躍する未来もそう遠くないでしょう。