つい一昨日のニュースになりますが、株式会社日本設計とオートデスク株式会社がBIM(ビルディングインフォメーション)データを建物が完成してからの維持管理の段階でFMと連携し、有効に活用できるという仕組みを開発されたようです。
クラウド上プラットフォームを使用した新しいシステム
FM(ファシリティーマネジメント)とは
このファシリティーマネジメントというのは元々はアメリカで生まれた経営管理方法のことで、「ビルなど建物の持っている設備や環境などの資源を最大限に有効活用するために、用途や目的に応じた機能をもたせ、ファシリティ(建物)の価値向上をおこなう活動」という定義になります。
各企業ごとや業態によりそれぞれ見解があると思いますが、概ねそういう定義となっています。建物の管理業界ではこの言葉がそのままシステムを表している場合が多いですね。
建物の維持管理では各社でFMシステムを使用されていることが多いですが、非効率な面も目立ってきていたということで、建物の維持管理・運用段階での生産性の向上に、BIMデータと連携することで機器や部材、空間などの管理もしやすくなる他、修繕時も機器の位置、仕様なども分かりやすくなります。
クラウドでBIMデータを連動
しかし問題になるのが、既存のFMシステム。それは当然各社で同じとは限りません。しかし今回開発されているシステムでは、クラウド上にオートデスクの「FORGE」というAPIを置き、そこにBIMデータもアップロード。
その「FORGE」と連動をさせて繋ぐことで、異なるデータ形式を変換するというような手間のかかる開発が不要になります。システムによっていちいち対応データを変換するようなことでは逆にコストがかかりますので、これは素晴らしいですね。
実はこのBIMデータとFMを連動・統合させるという考えは、今から約6年前にアメリカの建築家協会全米大会でも発表されていました。それが日本でようやく開発されたということで、現在の状況としては具体的なデータ連携の検証をおこなっているようです。
これが業界で一般的になれば、企画~設計~施工~維持管理までもBIMでカバーでき、より業務の効率化ができそうですね!