現場のAI活用も徐々に出てきています

sugitec

本日も技術的なお話になりますが久々にAI技術の話題。

コンクリートの品質評価にAIを活用

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コンクリート構造物の劣化の始まりは表面に起きたひび割れ(クラック)や剥離などが原因となることが多いことから、コンクリート構造物を評価し記録しておくことは、構造物の長寿命化と品質の維持・管理には必要になってきます。

国土交通省東北地方整備局ではコンクリート表面を、表層目視評価シートというものを用い目視で定量的に評価し、施工方法が妥当であるかの検証や施工方法の改善のために導入しているようです。

ちなみにコンクリートの表面の何を目視で評価しているのかというと、主なのが表面気泡(あばた)と言われるものです。

コンクリート構造物の表面を見た時に、この黒い点のような小さな空洞?のようなものが出来ているのを見たことがある方も多いと思いますが、これが表面気泡になります。

なぜ気泡ができるのか?

これは生コンクリートを打設する際にコンクリート内部に気泡ができてしまい、それが外部に逃げ切れないまま固まることで発生します。

粘性の高い生コンクリートは特に気泡が抜けにくい為、対策としてスペーディングという締固めを十分におこなって気泡を逃がすようにします。それでもコンクリートの材料分離した余剰水などが原因となり、気泡が発生してしまう場合が多くあります。

とは言え表層気泡だけであれば強度に対してそこまで急な影響はないとも言えますが、コンクリートの中性化が早くなる可能性は高いので、内部の鉄筋の劣化促進の原因にならないように注意する必要があります。

目視評価シートの課題点

先に上げた表層目視評価シートで検査する手法は、日本国土開発でもコンクリート構造物の耐久性の向上に有効だという判断から、自社の技術として取得をし実際に展開していたそうです。

しかし、現場の技術者によって点数にバラつきがあったり、同じ技術者であっても調査の前半、後半で点数がブレるという課題点が出てきたそうです。

これはアナログ作業の宿命ですね…技術者の経験や感覚が必要になってくる部分というのは、どうしても人によってバラつきが出るのは仕方がないことだと思います。 それを解決する人工知能を使ったタブレットでの評価システム

これは品質評価シートをタブレット端末置き換えたコンクリート表層品質評価システムで、数千枚にも及ぶ技術者の調査データを人工知能に学習させることで、人工知能自らがそのデータから特徴を学び取り技術者と同じ判断を持たせることができるようです。

タブレットで現場の評価箇所の写真を取り、データをクラウドシステムに送ることで人工知能が評価をおこなうようになっています。これであれば誰が検査をしても常に一定の評価基準で品質評価ができるようになりますね。

やはりこういった業務の省力化のポイントは自動化と利便性、熟練者の経験をシステムとして落とし込む部分にあると思います。

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