Terra DroneがUTドローンを活用し、検査の効率化と安全性向上を実現
近年、インフラ設備の維持管理において、ドローン技術が急速に進化している。特に、狭小・高所・危険箇所の点検において、作業員の安全性を確保しつつ、効率を飛躍的に向上させる手段として注目されている。Terra Drone株式会社(以下、テラドローン)は、この分野での最前線を走る企業の一つだ。
同社は、オランダのHES Internationalと連携し、ドイツ・ヴィルヘルムスハーフェンにある高圧ガス貯蔵用の球形タンク4基を、超音波探傷検査機器を搭載したUTドローンを用いて点検。これにより、従来の検査方法に比べて、安全性・作業効率の両面で大きな成果を上げた。
球形タンクの検査における課題
高圧ガスを貯蔵する球形タンクは、圧力による形状安定性が高く、大容量のガスを安全に保管できる。しかし、タンク内部の点検作業は容易ではない。従来の方法では、以下のような問題があった。
- 作業員の安全リスク:
タンク内部は閉鎖空間であり、酸素欠乏や有害ガスの危険がある。さらに、高所作業を伴うことが多く、事故のリスクが高い。 - 設備の停止時間:
足場の設置・撤去に時間がかかるため、タンクを長期間停止する必要があり、稼働率の低下を招く。 - コストの増大:
人手による作業が中心となるため、人件費がかさみ、検査準備にも膨大なコストがかかる。
これらの課題を解決するため、テラドローンのUTドローンが活用された。
UTドローンによる画期的な検査手法
テラドローンが採用したUTドローンは、以下の特徴を持つ。
- 超音波探傷検査で高精度な測定が可能
UTドローンには、超音波探傷検査機器が搭載されており、タンク内部の表面に直接接触することなく、板厚を測定できる。これにより、タンク内部の劣化や損傷の早期発見が可能となる。 - カプラント供給機能でスムーズな測定
飛行中に探触子にカプラント(超音波測定の媒介物)を供給する機能を搭載。これにより、検査を中断することなく、スムーズに作業を進められる。 - 作業員の安全性向上とコスト削減
タンク内部に作業員が入る必要がないため、酸素欠乏や有害ガス暴露のリスクがゼロに。さらに、足場の設置・撤去が不要なため、大幅なコスト削減につながる。 - 検査時間を大幅に短縮
従来、数週間~1カ月を要していた検査が、わずか1日で完了。これにより、設備のダウンタイムを最小限に抑え、稼働率の向上に貢献。
今回の成果と今後の展望
テラドローンは、この検査を通じて、UTドローンが球形タンクの点検において有効であることを実証した。今回の成功を受け、同社は以下のような展開を見据えている。
- ヨーロッパ市場でのさらなる展開:
HES Internationalとの協力関係を深め、他の施設への導入を進める。 - UTドローン技術の高度化:
より高精度な測定が可能な新機種の開発を推進。 - 他業種への応用:
石油・化学プラント、発電所など、他のインフラ設備の検査にもUTドローンを活用し、業界全体のDXを加速。
まとめ:ドローン技術が変えるインフラ点検の未来
今回のUTドローンによる高圧ガス球形タンクの検査は、インフラ点検の未来を示す画期的な事例だ。これまで「人が行くしかなかった場所」に、ドローンが入り込み、安全性と効率性を大幅に向上させた。
日本国内でも、プラントや大型貯蔵タンクの老朽化が進む中、このようなドローン技術の活用は、労働力不足やコスト増大といった課題の解決策になり得る。インフラの維持管理に関わる企業にとって、ドローン技術の導入は、今後ますます重要になっていくだろう。
参考情報
□Terra Drone株式会社「テラドローン、UTドローンを活用した高圧ガス貯蔵用球形タンクの検査を実施~オランダのタンク保有会社と連携し、ドイツで検査の安全性と効率性向上に貢献~」
https://terra-drone.net/20956
※本記事は、Terra Drone株式会社の公式リリース情報をもとにしています。
□この件に関する問い合わせ
Terra Drone株式会社
メール: pr@terra-drone.co.jp
HP : https://www.terra-drone.net