建設業界ではBIM/CIMの導入が進んでいるものの、2次元図面との整合性を確保するための手作業が依然として多く、生産性向上の課題となっていました。この課題に対処すべく、大林組、建設技術研究所、八千代エンジニヤリングの3社にTerra Droneが加わり、BIM/CIM配筋モデルと2次元図面を同時に自動生成・修正する機能の開発に着手しました。
BIM/CIM配筋モデルと2次元図面の連携がもたらすメリット
- BIM/CIM配筋モデルと2次元配筋図の同時生成
これまでBIM/CIMモデルの自動生成は可能だったものの、2次元配筋図は手作業で作成する必要がありました。本ツールでは、BIM/CIMモデルの生成と同時に2次元図面を作成できるため、作業の大幅な効率化が期待されます。 - BIM/CIMモデルと2次元図面の相互反映
設計変更があった場合、従来はBIM/CIMモデルと2次元図面をそれぞれ修正する必要がありました。しかし、本ツールでは両者が連動し、修正内容が即座に反映されるため、設計や施工のミスを未然に防ぎ、手戻りを削減します。 - 鉄筋数量表・加工図の自動生成
BIM/CIM配筋モデルから、鉄筋数量表や加工図を自動作成できる機能も搭載。これにより、2次元図面作成に必要な作業時間を大幅に短縮し、建設現場の生産性向上に貢献します。
適用範囲の拡大と今後の展開
現在はボックスカルバートの配筋モデルを対象としていますが、今後は2連ボックスやU型擁壁などの構造物にも適用範囲を拡大予定です。さらに、設計・施工だけでなく、積算や維持管理のための機能も実装し、建設プロセス全体のDX化を促進していきます。
まとめ:建設業界のDXが加速する時代へ
この新ツールの開発は、建設業界におけるBIM/CIMの実装をさらに加速させる重要なステップです。従来の「BIM/CIMモデルは3D、2次元図面は別途作成」といった分断を解消し、一元管理を可能にすることで、設計・施工の品質向上と生産性向上が期待できます。今後、業界全体にこのような自動化ツールが普及すれば、よりスムーズで効率的な建設プロセスが実現するでしょう。
参考情報
□株式会社大林組「BIM/CIM配筋モデル自動生成ツールに2次元図面の連動機能を追加します」
https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20250327_1.html
※本記事は、株式会社大林組の公式リリース情報をもとにしています。
□株式会社建設技術研究所
https://www.ctie.co.jp/
□八千代エンジニヤリング株式会社
https://www.yachiyo-eng.co.jp/
□Terra Drone株式会社
https://terra-drone.net/