「位置プラス進捗管理」大幅アップデートで業務効率と生産性向上を実現
建設現場のDX推進は、業界全体で喫緊の課題となっています。竹中工務店と竹中グループの朝日興産は、2024年問題への対応を背景に、建築工事の進捗実績を直感的に把握できる「位置プラス®進捗管理」アプリを大幅にリニューアルしました。
これにより、部屋や部位ごとに進捗を可視化し、作業者や管理者の手間を大幅に削減する取り組みが、業界内で注目を集めています。
背景と従来の課題
従来、建設現場では進捗状況の把握や情報共有に多大な労力が必要でした。
- 現場作業の複雑性:マンション、ホテル、病院など、多数の部屋・部位がある工事では、進捗状況の管理が非常に煩雑でした。
- 業務効率の低さ:作業実績の登録や集計に手間がかかり、管理者の負担が大きかった点が課題として指摘されていました。
こうした背景から、200現場以上で活用される中で寄せられたユーザーの要望に応えるべく、より使いやすく、管理機能を拡充したリニューアルが実施されました。
リニューアルで強化された機能
新たな「位置プラス進捗管理」アプリは、以下の5つの主要な機能強化により、進捗管理の利便性と効率性を向上させています。
- 進捗線のブロック矢印形式への変更
これまで各部屋・部位の完了割合を線分で表示していた進捗線画面が、ブロック矢印形式に刷新されました。
・視覚的な把握:各作業の進捗状況が一目で分かり、問題点の早期発見や対策が容易になりました。
・特許出願済:独自の表示方式が特許出願中で、技術的な優位性が強調されています。 - 出来高集計・出力機能の追加
作業者が登録した実績を月単位で集計し、作業別や協力会社別にエクセル出力が可能になりました。
・柔軟な集計設定:締め日を任意に設定できるため、各現場の請求タイミングに合わせた運用が可能。
・業務効率化:出来高請求時の根拠資料としても活用でき、登録促進効果も期待されます。 - 作業予定日管理機能の追加
各部屋・部位の作業に対して、開始日と完了日を登録できる機能が追加されました。
・遅延の早期発見:予定日を過ぎると遅れを示すアイコンが表示され、迅速なフォローアップが可能。
・計画管理の強化:工期管理がより厳密に行えるようになり、進捗管理の精度が向上します。 - PDF登録/閲覧機能の追加
部屋・部位ごとに任意のPDF(オプション表、間取図、仕上表、詳細図など)を登録・閲覧できるようになりました。
・情報一元管理:複雑な工事における各種資料を統合管理し、情報共有の効率化に寄与します。 - スマートフォン向け画面の改良
現場作業者向けに、スマートフォンでの登録・閲覧画面が大幅に見直され、操作性が向上しました。
・ユーザーインターフェースの改善:クリック数を極力削減し現場の手間をさらに軽減しています。
DX推進と今後の展開
両社は、今回のリニューアルを足掛かりに、ユーザーからのフィードバックをもとに定期的な改善を続け、位置プラスシリーズ全体の展開を強化していく方針です。
特に、建設現場の業務効率化や生産性向上を推進し、建設2024年問題の解決とDX推進に寄与することが狙いです。外販を通じた市場拡大も視野に入れ、今後の展開が注目されます。
まとめ—現場の生産性向上に向けた革新とその意義
今回のリニューアルにより、位置プラス進捗管理アプリは、建設現場の複雑な進捗管理をシンプルかつ効率的に行えるツールへと進化しました。現場作業者の負担軽減、情報の即時共有、そして計画管理の精度向上は、建設業界全体の生産性向上に直結する重要な要素です。
私見として、こうしたDXツールの進化は、業界全体の課題である人手不足や工期管理の複雑さを解消する上で極めて有効であり、今後も多様な現場において積極的に活用されることが期待されます。これにより、建設現場がより安全かつ効率的に運営され、業界の持続可能な発展に貢献する大きな一歩となるでしょう。
参考情報
□竹中工務店「位置プラス「進捗管理」を大幅リニューアル」
https://www.takenaka.co.jp/news/2025/02/03/
本記事は、竹中工務店および竹中グループ朝日興産が発表した公式リリース情報をもとにしています。