Terra Drone株式会社は、最新グリーンレーザ「YellowScan Navigator」を活用した計測サービスの提供を開始し、河川、湖沼、沿岸部などの水域における地形測量の新たな可能性を切り拓いています。この革新的な技術は、防災、インフラ整備、環境調査など幅広い分野での活用が期待され、業界全体に大きな変革をもたらすと注目されています。
背景と技術革新の必要性
近年、河川や湖沼、沿岸部の地形測量では、水深や地形の変化に関するより詳細なデータ取得が求められています。従来の手法では、水中に直接人が入るか、船を出して測量を行う必要があり、効率性や安全性に課題がありました。
こうした中、ドローン技術が普及し、ドローン搭載型のグリーンレーザによる測量が注目されるようになりました。グリーンレーザは、水中でも光を伝達できる特性を持ち、従来計測が困難であった深い水域や濁った水域でも、正確な地形データを効率的に取得することが可能です。
「YellowScan Navigator」の革新性
高機能・コンパクトな設計
「YellowScan Navigator」は、従来の大型グリーンレーザと比べてコンパクトな設計ながらも、優れた測深能力を有しています。国内で一般的なグリーンレーザが最大1~1.2セッキの計測能力であるのに対し、本製品は最大2セッキまでの深さの計測が可能となり、これまで測量が難しかった水域のデータ取得が実現しました。
厳しい環境下でも安定した測量
また、本製品は1ショットあたり最大10回のエコー(反射波)を取得できるため、濁った水域や障害物が存在する環境下でも、安定した測量結果を導き出すことが可能です。例えば、泥や微粒子が多い河川や、木の枝などの障害物がある状況下でも、高い成功率でデータ収集が行え、従来の測量手法で課題とされていた部分を解決します。
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製品仕様の概要
□精度・確度: 3cm
□最大計測深度: 2セッキ
□GNSS慣性ソリューション: SBG Quanta Micro
□スキャナーの視野: 40°
□エコー数/ショット: 最大10
□ショット数/秒: 最大20,000
□重量: 3.7kg(バッテリー除く)
□レーザークラス: クラス3B
これらの仕様は、深い水域の正確な地形データ取得に必要な条件を十分に満たしており、これまで以上の精度と効率を実現します。
市場動向と今後の展望
公共入札案件の分析によれば、2022年度から2023年度にかけてグリーンレーザを活用した測量案件は約3.4倍に増加しており、市場における需要は急速に高まっています。こうした背景を踏まえ、Terra Droneは最新のグリーンレーザ技術を積極的に取り入れ、ドローン搭載型LiDARとのシナジーを生かした新たな測量サービスの提供を推進しています。
さらに、同社は最新のデータ解析技術を駆使し、短時間で高精度な測量を実現することで、費用対効果と精度の両立を図るとともに、さまざまなドローン測量ソリューションのニーズに応える計画です。これにより、防災、インフラ整備、環境調査など、幅広い分野での活用がさらに拡大することが期待されます。
まとめ—技術革新がもたらす未来への示唆
「YellowScan Navigator」を活用したサービスは、従来の測量手法が抱えていた効率性と安全性の問題を根本から解決し、精度の高いデータ取得を実現する画期的な取り組みです。防災やインフラ、環境調査といった重要な分野での応用は、社会全体のリスクマネジメントや持続可能な開発に寄与する可能性が高いと考えられます。
私見として、テラドローンのこの先進技術の導入は、今後の地形測量のスタンダードを変えるだけでなく、ドローン技術とデジタル解析の融合が建設・環境業界に新たな付加価値をもたらす大きな一歩であると感じます。
この内容に関するお問い合わせ先
□Terra Drone株式会社
ソリューション事業本部サービス事業ユニット
Email:terra-consultantterra-drone.co.jp