DJIは2025年1月8日、産業用ドローンの新シリーズ「Matrice 4」を発表しました。このシリーズは、従来のMavic 3 Enterpriseシリーズの後継機として位置付けられ、測量用の「Matrice 4E」と点検用の「Matrice 4T」の2モデルがラインナップされています。
産業用ドローンの新基準
DJIは、AI技術を搭載した新たな産業用ドローン「Matrice 4」シリーズ(測量用:Matrice 4E、点検用:Matrice 4T)を発表しました。このシリーズは、Mavic3 Enterpriseシリーズの後継機として、コンパクトで多機能なフラッグシップモデルとして設計され、最新のAI機能と高度な飛行性能を備えています。
Matrice 4シリーズの主な特長
- 多機能カメラシステム
両モデルには、光学3倍の70mm中望遠レンズと168mmの望遠カメラが搭載されており、遠距離からでも高精細な画像を取得できます。さらに、レーザー距離計により、最大1,800m先の距離測定が可能です。 - Matrice 4E(測量用モデル)
24mm広角レンズとメカニカルシャッターを備え、高速な航空測量が可能です。0.5秒間隔のインターバル撮影や、最大21m/sのマッピング飛行速度に対応しています。また、スマート3Dキャプチャ機能により、複雑な建物の精密なマッピングルートを生成できます。 - Matrice 4T(点検用モデル)
赤外線サーマルカメラは、最大1,280×1,024ピクセルの高解像度モードに対応し、24mm広角レンズや赤外線カットフィルターを搭載しています。これにより、昼夜を問わず鮮明な映像を提供します。
高度なカメラシステム
Matrice 4シリーズは、複数のカメラを搭載し、多様な撮影ニーズに応えます。広角カメラは24mm相当の画角を持ち、高解像度の静止画や動画の撮影が可能です。中望遠カメラは70mm相当の画角で、遠距離からの詳細な撮影に適しています。
さらに、望遠カメラは168mm相当の画角を持ち、遠方の被写体を高精細に捉えることができます。Matrice 4Tには、640×512ピクセルの赤外線サーマルカメラも搭載されており、夜間や低照度環境での撮影に威力を発揮します。
AI技術と自律飛行で安全性と効率を向上
このシリーズは、AI技術を活用したスマート認識機能を備えており、障害物の自動検知や回避が可能です。これにより、複雑な環境下でも安全な飛行が実現します。また、レーザー距離計を搭載しており、最大1,800m先の距離測定が可能で、精密なデータ収集をサポートします。
高精度測位と飛行性能
本シリーズは最大49分(無風環境下・標準プロペラ)の飛行時間を誇り、バッテリー交換の頻度を削減します。また、最大25km(※)の伝送範囲により、広大なエリアでの作業を効率的に行うことが可能です。この性能は、インフラ点検や農業、捜索救助といったミッションにおいて特に有用です。
※最大伝送距離
・障害物、電波干渉のない場合:25 km (FCC)、12 km (CE)、12 km (SRRC)、12 km (MIC)
・電波干渉がある場合:強い干渉 – 都市中心部(約1.5~5 km)、中程度の干渉 – 郊外(約5~15 km)、弱い干渉:郊外/海岸(約15~25 km)
新アクセサリーによる機能拡張
Matrice 4シリーズは、専用アクセサリーを使用することでさらに機能を拡張できます。たとえば、スピーカー(DJI AS1)は音声のリアルタイム伝達や録音再生を可能にし、サーチライト(DJI AL1)は最大100m先を照らすことで夜間作業をサポートします。これらのアクセサリーは併用が可能で、救助活動や警備業務において特に有用です。
多用途対応と産業利用の可能性
Matrice 4シリーズは、D-RTK 3 RTK基地局との組み合わせにより、高精度な測位を実現します。この機能により、測量や点検の精度を高めるだけでなく、作業時間を短縮することが期待されています。
□DJI JAPAN 株式会社
Matrice4
商品紹介ページ:https://enterprise.dji.com/jp/matrice-4-series