概要
本日は株式会社鴻池組(以下、鴻池組)が、全役職員を対象に、対話型生成AIシステム「AI-こうちゃん」を導入し、社内運用を開始というリリースニュースをお届けします。
対話型生成AIシステム「AI-こうちゃん」
「AI-こうちゃん」は、チャット形式での質問対応や文章生成機能など、幅広い業務支援を行います。
「こうちゃん」は、鴻池組社内SNSサイトのナビゲーターを担当しているキャラクターで、今回、AIシステムのアシスタントキャラクターとして採用されました。
導入したシステムは、アマゾン ウェブ サービス (AWS)が提供する生成AI サービス Amazon Bedrockをビジネスで安全に活用するためのシステム実装例 (Generative AI Use Cases JP)を基盤とし、いくつかの機能を社内開発し、追加したものです。
各種実装を一から構築するのではなく、公開されている内容を活用することによって、構想から約5か月で全役職員への導入を完了できました。
また、本システムでは、Amazon Bedrockを活用することで、入力された内容がモデルに学習されることのない安全な仕組みとなっており、セキュリティとプライバシーの保護において対策を講じています。実装機能は、こうちゃんとチャット形式でやり取りができるフリートーク機能に加え、事前に登録した社内文書を活用して回答を作成する機能、文章の再構築、要約、校正、翻訳などのテンプレート機能も備えており、社内文書の活用と業務の効率化が期待されます。
そのほかには、トーク履歴のシェア機能も実装されているため、個人での活用事例を他の人に共有し、活用の輪を広げることも可能です。
図 1 フリートークの利用例
図 2 相談所の利用例
本システムの導入にあたり、弊社では全役職員を対象にe-ラーニングの受講を必須としています。e-ラーニングでは、対話型生成AIシステムを業務で活用するための基礎知識や使用上の注意点などを学習し、適切な利用方法について教育を行っています。
図 3 e-ラーニング問題例
今後、従業員の声を反映しながら本システムの機能改善と登録文書の追加・拡充を進め、さらなる業務改善につなげていく予定です。また、社内での対話型生成AIシステムの活用に向けた勉強会や情報発信にも取り組み、AI活用の裾野を広げ、業務効率化を推進していきます。
資料引用:鴻池組
おわりに
「こうちゃん」というと…某元総理大臣の息子さん俳優のニックネームを思い浮かべてしまうライターですが、この「Amazon Bedrock」とは、アマゾン社が昨年から投入してきた生成系AIアプリケーションが作成できるサービスです。APIを介して、基盤モデルを活用し構築ができます。
基盤モデルは6つあり(鴻池組はリリース内容からすると「Command」型を導入)、それぞれ用途が異なります。Amazon Bedrockを利用すれば、コード記述もほとんどいらず、数クリックで生成AIが利用可能です。テキスト作成や画像生成などができ、Amazon Bedrockを活用すれば、旅行予約や広告、ゲームのキャラクター生成などさまざまな用途で使用できます。
Amazon Bedrockでは、独自のデータを使用して基盤モデルをプライベートにカスタマイズできます。さらにコードの記述なども必要なので、より簡単に設定が可能です。
独自データを使用したい場合、Amazon S3(Amazon S3(Amazon Simple Storage Service)は、Amazon Web Services(AWS)が提供するオブジェクトストレージサービス。データの格納や管理、バックアップや復元、アーカイブなど、さまざまな用途に使用できます。)内のトレーニングデータセットと検証データセットの2つを選んだのち調整します。
基盤モデルによっては継続学習が備えられているモデルもあるため、業界に対する学習をさせておくことで業界用語などにも対応ができます。
鴻池組のテキストマイニングはAmazonと共に歩む方針が垣間見るリリースニュースでした。
参考・関連情報・お問い合わせなど
□株式会社鴻池組
リリースニュース
https://www.konoike.co.jp/news/2024/202408293366.html