概要
株式会社Lib Work(以下、Lib Work)は、このたび建設用3Dプリンターを活用した住宅「Lib Earth House “modelA”」につきまして、都市計画区域内で建築確認申請を行い、建築確認済証を取得というリリースニュースをお届けします。
Lib Earth House “modelA”
これにより、Lib Work独自の土を主原料とした3Dプリンターハウスは建築基準法を遵守していると判断され、法適合した住宅として正式に認定されました。
建築確認済証取得の背景
Lib Earth House “modelA”は地上1階、建物高さは約3.2m、延床面積は約15㎡の建築物。直接建築物を支える部材である主架構(しゅかこう)を集成材によるラーメン造とし、主架構の周囲に3Dプリンティングによる土壁を設置しています。土壁は主架構と構造的に分離しており、主架構へ負担のない自立した外装材となっています。
このような建築は前例がなく、国土交通省を含む行政との協議を行いました。そこで3Dプリンティングによる土壁が外装材として法的に問題ないという判断をいただき、建築確認申請の決裁を得ることができました。
3Dプリンターハウス 「Lib Earth House “modelA”」の概要
土を主原料とした当モデルハウスの工期は、3Dプリンティングに2週間(延べ72時間)、木工時に2週間、そのほかの工事を合わせて合計3カ月。
3Dプリンティングの材料は土が約75%を占めており、そのほか結合剤として石灰やセメント、繊維材として藁、骨材としてもみ殻を混ぜ合わせたものを使用しています。
またモデルハウスはIoTを積極的に導入しており、玄関ドアには顔認証で開閉する自動ドアを採用しています。
3Dプリンターハウス開発の経緯
建設用3Dプリンターを活用する住宅建築は、それに係る大幅なコストの削減や工期の短縮に貢献できるほか、大工をはじめとする職人の高齢化や人材不足といった建設業界全体が抱える主要な課題を解決することにもつながると考えており、開発を進めています。
今後の事業展開
今後、2024年度中にはLDKやトイレ、バス、居室などを設けた約100㎡のモデルハウスを完成させ、2025年には一般販売を開始すべく開発を進めております。
今後は3Dプリンティング技術を軸に全国のハウスメーカーや工務店へ本事業をフランチャイズ展開し、3Dプリンターハウス事業の拡大へと進めてまいります。
Lib Workについて
Lib Work社は、「暮らしを変える、世界を変える、未来をつくる」というスローガンのもと、「サステナブル&テクノロジーで住まいにイノベーションを起こす」というミッションの実現に向けて、戸建て事業に留まらず多角的に事業展開しています。
デジタルマーケティング分野では、土地探しの「e土地net」をはじめとした一定のカテゴリーに特化したサイトや、YouTubeチャンネル「Lib Work ch」の運営などを通し、ニーズに合わせた集客戦略を展開。また全国の工務店向けサブスクリプション型事業として、新築住宅プランの提案システム「マイホームロボ」の開発をはじめ、「ALC/アダストリア・ライフスタイル・クリエイション」と共同開発した戸建て商品「niko and … EDIT HOUSE」のIPライセンス販売などのプラットフォーム事業も行っています。さらにサステナブルな取り組みとして、3Dプリンターハウスも研究開発中。持続可能な未来に向けた取り組みを日々行っています。
資料引用:Lib Work
おわりに
西宮のセレンディクス社はセメントを主原料に選び、熊本のLib Work社は日本の風土に適した土を主原料に選ぶ。
土壁は、気温や湿度を調節してくれるので古くから酒蔵や貯蔵庫で使用されています。
Lib Work社の拠点の熊本というと「焼酎」や「黒酢」の生産地でもあるのでイメージしやすいでしょう。日本の気候は、四季によって気温が大きく変化し、さらに雨が多く多湿という特徴があります。
そうした環境下での酒造りには湿度や気温の調整が必要になるため、調湿性に優れた土壁が酒蔵などに活用されています。そして、住居としての土壁の家は夏はひんやりと涼しく、冬は優しい温かさを持続しやすい特徴があります。季節がうつりかわる日本で、土壁は最も快適に過ごせる素材です。
しかし、土壁を均一に施工するのは左官技術の高度な匠の技が必要です。そこを3Dプリンターの左官工事で仕上げるのは今後の工法として注目が集まりそうです。
参考・関連情報・お問い合わせなど
□株式会社Lib Work
リリースニュース:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000134.000022440.html