竹中工務店×製鋼会社5社
「サーキュラーデザインビルド」を電炉鋼材から推進。

sugitec

概要

株式会社竹中工務店(以下、竹中工務店)、巖本金属株式会社(以下、巖本金属)、岸和田製鋼株式会社(以下、岸和田製鋼)、共英製鋼株式会社(以下、共英製鋼)、東京製鐵株式会社(以下、東京製鐵)は、竹中工務店が掲げる「サーキュラーデザインビルド」のコンセプトに基づき、5社が連携して、建築において電炉鋼材(鉄)を活用した鉄スクラップ循環サイクルの全体最適に向け始動したというリリースニュースをお届けします。

鉄スクラップ循環サイクルの全体最適化を目指す

「サーキュラーデザインビルド」とは、サーキュラーエコノミーを実現するために竹中工務店が提唱している、建築物の設計及び施工段階でリユース・リサイクル建材の選択や、解体を考慮した設計手法検討などへとつなげる考え方と実践に関する取り組みを称するものです。

〈これまでの取り組み〉
資源の少ない日本において自給可能な鉄スクラップは、最もリサイクルに適した貴重な金属資源と言われています。鉄スクラップを電気で溶かす電炉法により再生することで、鉄スクラップのリサイクルは実現されています。
しかし、これまで、建築における鉄のリサイクルは、各業界の経済性が優先され、業界を跨ぐ連携はありませんでした。

〈これまでの取り組み〉
資源の少ない日本において自給可能な鉄スクラップは、最もリサイクルに適した貴重な金属資源と言われています。鉄スクラップを電気で溶かす電炉法により再生することで、鉄スクラップのリサイクルは実現されています。
しかし、これまで、建築における鉄のリサイクルは、各業界の経済性が優先され、業界を跨ぐ連携はありませんでした。

〈今回の取り組み〉

  • 「サーキュラーデザインビルド」を実践すべく、鉄、非鉄金属その他スクラップの回収・加工を担う製鋼原料加工会社、電炉鉄鋼メーカー、ゼネコンによる協業体制を構築し、業界の垣根を超えた技術の開発、採用推進を図り、建築物の解体により発生する鉄スクラップを起点とした循環サイクルの最適化を推進していきます。
  • 具体的には、解体プロジェクトから排出される鉄スクラップ等から電炉を利用した 製品の製造、新たなプロジェクトにおける設計・施工に至るまで、共通プラットフォームによる効果の可視化を実施し、トレーサビリティを確立することによって、鋼材の活用数量及びCO2排出量の全体最適化を推進していきます。
  • また、鉄スクラップ循環サイクルにおける脱炭素化も以下の取り組みを推進します。

①製鋼原料加工段階においては、加工・運搬時に使用するエネルギー及びCO2排出量の可視化と最小化
②製品製造段階においては、製品製造に使用するエネルギー及びCO2排出量の可視化と最小化
③設計段階においては、建築物を建築する際に使用する資材により発生するCO2の可視化と最小化
④施工段階においては、建築物を解体する際に使用するエネルギー及びCO2排出量の可視化と最小化

実現への流れ

竹中工務店が解体する建築物から排出される鉄スクラップを巖本金属が回収、電炉鉄鋼メーカーのニーズに見合った製鋼原料に加工し、加工された原料を岸和田製鋼、共英製鋼、東京製鐵が環境負荷の低い電炉で溶解し製品化します。

この製品を、竹中工務店が手掛けるプロジェクトにおいて、解体を考慮した設計手法のもと、施工を進めるプロセスのトレーサビリティを確立すると共に、可視化による効果を定期的に確認・検証することで、鉄スクラップ循環サイクルの最適化を目指していきます。

本体制において、資源循環全体での課題共有や解決方法の議論を進め、取り組みのスパイラルアップを図るとともにこの活動の輪を広げていきたいと考えています。

<電炉鋼材における「サーキュラーデザインビルド」>

おわりに

ここで、一般財団法人 経済調査会が月ごとに速報レポートを出されている積算資料12月号を引用しつつ、簡単にまとめておきます。

建設資材価格指数の推移からは、建築・土木分野における価格の動向が示されています。最近の報告では、3指数全てが前月比マイナスとなり、これはおよそ3年ぶりのことです。
普通鋼鋼材や木材など一部の品種が需要低迷から価格競争により下落し、指数を押し下げました。一方、生コンクリートは価格上昇圧力が緩和され、全国的に横ばい傾向が見られました。

都市別の観点では、広島以外の全都市で建築・土木総合指数が前月比マイナスとなり、特に東京は0.7ポイントの大きな低下を記録しました。一方で、大阪は依然として全国最高値を維持していますが、万博関連需要の影響で価格に変動が見られます。

主要資材の動向に注目すると、石油製品の価格が政府の対策事業の影響で下落しましたが、中東情勢の緊迫化により原油相場が不安定となり、今後の動向は不透明です。鉄スクラップも需要の伸び悩みから6カ月ぶりに下落し、需給は緩和傾向です。

全体として、建設資材価格指数は踊り場局面を迎え、今後は市況の安定や需要の動向を見極める段階にあると言えます。

今回のリリースニュースでとりあげた品名にあたる「鉄スクラップ」ですが、上の価格推移(サンプル:東京)をみても昨年から比較しても、6000円(円/t)も上昇している訳で、企業連携によるリサイクルサプライチェーンの構築は国内市場に活性化をもたらすことに期待しましょう。


参考・関連情報・お問い合わせなど

□株式会社竹中工務店
リリースニュース:https://www.takenaka.co.jp/news/2023/12/03/
本社:大阪市中央区本町4丁目1番13号
代表者:取締役社長 佐々木正人
主な事業内容:建築工事及び土木工事に関する請負、設計及び監理、他
経営企画室広報部 tel:03-6810-5140

□巖本金属株式会社https://www.iwamotokinzoku.co.jp/
本社:京都市南区上鳥羽鉾立町1番地
代表者:代表取締役社長 巖本 博
主な事業内容:製鋼原料の製造販売、非鉄金属その他スクラップの売買、産業廃棄物の処理業
営業本部営業部 tel:075-672-3688

□岸和田製鋼株式会社https://kishi-seiko.jp/
本社:大阪府岸和田市臨海町20番地
代表者:代表取締役社長 鞠子 重孝
主な事業内容:鉄筋コンクリート用棒鋼の製造及び販売
企画室 tel:072-498-1008

□共英製鋼株式会社https://www.kyoeisteel.co.jp/ja/index.html
本社:大阪市北区堂島浜1丁目4番16号
代表者:代表取締役社長 廣冨 靖以
主な事業内容:鋼片、各種鋼材、鉄鋼製品の製造・加工・販売
鉄筋・ねじ節鉄筋加工と組立工事、一般・産業廃棄物、医療廃棄物の収集・運搬・処分業
経営企画部ESG推進室 tel:06-6346-5222

□東京製鐵株式会社https://www.tokyosteel.co.jp/
本社:東京都千代田区霞が関3丁目7番1号 霞が関東急ビル
代表者:代表取締役社長 奈良 暢明
主な事業内容:鋼塊、各種鋼材、特殊鋼、鐵鋼製品の製造及び販売
総務部 tel:03-3501-7721

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