竹中工務店✕鉄建建設
四足歩行ロボット「Spot」を建設現場で活用拡大。

sugitec

概要

株式会社竹中工務店(以下、竹中工務店)は、四足歩行ロボット「Spot」※1が建設現場内を巡回して撮影した映像を、実測図※2の作成用データとして用いる実証実験により、業務を効率化できることを確認したというリリースニュースをお届けします。
※1 Spot:米Boston Dynamics社製の四足歩行ロボット
※2 実測図:CalTa㈱のデジタルツインアプリケーション「TRANCITY」を利用して点群データ作成

Spot活用を建設現場における実測図作成の補助業務に拡大

Spotはこれまで、建設現場巡回、施工状況の遠隔確認と記録、軽量資材の運搬への活用の効果が実証実験で確認されています。今回新たに、鉄建建設株式会社(以下、鉄建建設)とともに「JR新小岩駅南口駅ビルの新築工事」(発注者:東日本旅客鉄道㈱など、施工:鉄建建設と竹中工務店のJV)で実施した実証実験により、Spotの活用シーンを建設現場における実測図作成の補助業務に拡大できることが分かりました。

カメラ搭載Spotによる映像撮影

Spot撮影映像を基に作成した実測図(点群データ)

建設業においては、働き方改革や労働人口減少対策として、労働時間の削減と生産性の向上が喫緊の課題となっています。当社はこれまで、施工管理業務の省力化を目的として、Spotの建設現場への導入に取り組んできました。

実証実験が行われた「JR新小岩駅南口駅ビルの新築工事」のような鉄道関連施設をはじめ、新築工事完了後も繰り返し改修・改築が行われてきた施設では、新たな工事に着手するに当たり、過去の改修・改築工事を全て反映した現況の実測図を作成する必要があります。

これまで実測図作成に必要な映像撮影においては、技術者が慎重に作業を行っても建設現場では足元が不安定な為映像がブレる、撮影漏れが生じる、などの理由で撮り直しを強いられ、作成作業上大きな負担となっていました。

今回、階段や不整地においても障害物を回避しながら事前に指示されたルートを自律巡回できるSpotの機能を生かし、頭部に市販のカメラを搭載することにより、ブレや漏れのない映像撮影を行いました。これにより、映像撮影に要する時間が最大30%程度削減されました。

実測図(点群データ)と設計図(BIMデータ)の照合

更に、作成した実測図(点群データ)と、設計図(BIM※3データ)との重ね合わせを行い、新たに建設する施設や設置する設備配管等と、既存構造体等との干渉を事前にチェックし、不具合が生じないことを確認する作業に活用し、施工管理においても業務の効率化に寄与しています。

※3 BIM:Building Information Modelingの略称。PC上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などのデータを追加したもの

今回の成果により、Spotの活用シーンはこれまでの建設現場巡回、施工状況の遠隔確認と記録、軽量資材の運搬に加え、実測図の作成補助にまで拡大しました。

竹中工務店は引き続き、建設現場における作業空間のデジタル化技術や安全性向上技術など、Spotの更なる活用方法の実現を目指した研究開発、ならびに墨出しロボット、搬送ロボットなどRXを活用した生産性向上施策の普及展開を図っていきます。

資料引用:竹中工務店・鉄建建設

おわりに

Boston DynamicsのSpotは高い運動性を備える4脚ロボットの代名詞的存在。
オンライン販売は2020年6月にはじまり、価格は約800万円。
建設現場の人手不足は長らく警鐘されているものの、ロボ(レイバー)に代替えされていく過渡期にあるのかもしれません。しかし、この導入コストは、なかなかのものです。
為替レートもこれにかさなるので、大手からの導入が草の根で始まっているのが実情でしょう。

そうなると、Spotの代替え候補になるのが、中国Unitree Robotics(ユニツリーロボティクス)社が2020年5月に日本でも販売が始まった「Unitree A1」でしょう。大きさが中形犬ほどの4脚ロボット。
価格は128万円(税別)で、この機体のロボットとしては破格の価格です。

表1 「Unitree A1」と「Spot」の仕様

A1の運動性能は姿勢制御技術に支えられており、4脚それぞれのつま先に力覚センサーを、本体に6軸の慣性計測装置(IMU)を搭載している。センサーからのデータを基に重心位置を推定し、各関節の角度を調整して姿勢を保ちます。
こうして段差や階段といった外乱が大きな場所でもバランスを維持して歩行し続けられるというが…
段差の乗り越え高さのMAXが5cmというのはまだ…現場には不適合化もしれない。
それから…バク天はいらないです。


参考・関連情報・お問い合わせなど

□株式会社竹中工務店
リリースニュース
https://www.takenaka.co.jp/news/2023/07/03/

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