大成建設
平置きパレット専用の簡易免震システム｢TASSラック®－パレット｣を開発

概要

阪神・淡路大震災から28年。免震・制震技術は建設の世界から誕生していく。

大成建設株式会社（以下、大成建設）は、地震により物流倉庫などで発生する積荷落下被害の低減を図るため、物品保管で使用される平置きパレット専用の簡易免震システム「TASSラック－パレット」を開発というリリースニュースをお届けします。

簡易免震システム｢TASSラック^®－パレット｣

企業のBCP策定において地震対策は喫緊の課題となっており、物流倉庫や工場においても建屋免震や制震などの減災システムを導入する事例が増えています。

大成建設では、これまでも自動ラック倉庫を対象とした「TASSラック－制震^※1」と「TASSラック－免震^※2」、物流倉庫などの可動型保管棚^※3を対象とした「TASSラック－スライダー^※4」を開発し、施工実績を重ねてきました。

しかし、ラック倉庫や保管棚を使用せずに、床上に平置きしたパレットに物品を積載し、そのパレットを上部に数段重ねて保管する「平置き形態」を採用している物流倉庫では、建屋全体を免震化する大掛かりな方法以外に有効な地震対策がないことから、安価な免震・制震システムの開発が求められていました。

そこで大成建設は、パレットに鋳鉄支承を取り付けるだけの簡易な免震機構を利用することで、平置き形態の物流倉庫であっても安価な地震対策が可能となる簡易免震システム「TASSラック－パレット」を開発しました。

本システムの実証実験で確認された免震効果と特徴は以下のとおりです。

1　簡易な機構で地震時の揺れを低減（図1・左図参照）
「TASSラック－パレット」は、パレットの隅角部と中心部に潤滑効果をもつ鋳鉄支承を取り付けた簡易な機構で、地震時にパレットが床上を水平に滑ることで荷物の揺れを抑制し、積荷の落下被害や損傷を低減します。コンクリート床上であれば、どこでも設置、移設が可能で、震度５強から６強程度の地震に対して優れた免震効果を発揮します。

2　低コストで「平置き形態」の物流倉庫の地震対策が可能
「TASSラック－パレット」に物品を積載した平置きパレットを載せるだけで、容易に地震対策が図れます。従来の大掛かりな免震機構が必要な建屋の地震対策に比べて、大幅な低コストでの設置が可能です。

3　「TASSラック－スライダー」との併用により用途を拡大（図1・右図参照）
床置きの一段目は「TASSラック－パレット」、二段目以上は「TASSラック－スライダー」を併用することで、平置き形態のパレットを数段重ねた状態においても積荷の落下被害を低減することができます。

4　実証実験により免震効果を確認（写真1参照）
震度６強を再現した振動台による実証実験で本システムの免震効果を確認した結果、未対策の場合には積荷が荷ずれ・落下したのに対して、「TASSラック－パレット」を使用した場合では積荷は僅かなずれに留まっており、積荷頂部の応答加速度^※5は、未対策の場合に比べ、最大で45％程度に低減されることが明らかとなりました。

今後、大成建設は、本システムを加えた「TASSラック」シリーズを、様々な保管形態の物流倉庫に対応できる免震・制震システムとして積極的に提案し、BCPに向けた地震対策技術の導入促進を目指してまいります。

資料引用：大成建設

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参考・関連情報・お問い合わせなど

□大成建設株式会社
リリースニュース：
https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2023/230116_9223.html