概要
建設資材から、現場で使用する機材や道具にフォーカスした新連載「いいねシリーズ」。
第一回目は、大正14年3月の創業から北海道におけるコンクリート製品のパイオニアメーカー、
株式会社 上田商会(以下、上田商会)の「エシカルコンクリート TUTUMU」です。
カーボンニュートラル社会の実現や地球資源の枯渇といった社会課題の解決に向けた製品開発の取り組みをみつめます。
『エシカルコンクリート TUTUMU(つつむ)』
上田商会は、低炭素型の『エシカルコンクリート TUTUMU(つつむ)』を使用したコンクリート製品の販売を、2022年6月9日より開始。また同日、株式会社コンサドーレとクラブパートナー契約を締結。『エシカルコンクリート TUTUMU』で製造されたコンクリート製品の売上の一部を、北海道コンサドーレ札幌のSDGsプロジェクト「PASS」へ寄付※1します。
『エシカルコンクリート TUTUMU』は、通常のコンクリートに比べセメント使用量を削減し、産業副産物であるフライアッシュや高炉スラグ微粉末を使用したコンクリートです。
一般的なセメントを使用したコンクリート製品に比べて、材料由来の二酸化炭素排出量が平均41%※2、1 トンあたり約 50kg削減されます。
また、強度・耐久性においては通常のコンクリート製品よりも向上します。
上田商会では、『エシカルコンクリート TUTUMU』を通常のコンクリート製品と同価格で提供。
再生骨材の利用も視野に入れており、天然資源の枯渇リスクに対応していく考えです。
今後は一定の基準を満たしたコンクリート製品から順次『エシカルコンクリート TUTUMU』製にリニューアルし、将来的には全てのコンクリート製品に『エシカルコンクリート TUTUMU』を用いる予定です。これにより、上田商会のコンクリート製品を使用する全てのお客様が、環境負荷低減に寄与することが可能となります。
上田商会は、『エシカルコンクリート TUTUMU』の普及を通じて、サスティナブルな社会の実現に向けた取り組みを実行して参ります。
※1 寄付金は選手等による子供たちへの教育事業に充てられます。
※2 工場毎に配合が異なるため、CO2 削減割合は全社の平均値です。
『エシカルコンクリート TUTUMU』の性能
- 二酸化炭素(CO2)排出量を削減
『エシカルコンクリート TUTUMU』を用いたコンクリート製品では、一般的な配合のコンクリートを使用した製品と比べて、材料由来の CO2 排出量が平均 41%※1、1トンあたり約50kg削減されます。
- 一般的な配合のコンクリート製品と比べ、中長期の強度は増大
『エシカルコンクリート TUTUMU』に使用する高炉スラグ微粉末は潜在水硬性を有し、セメント中に含有されたアルカリ性の刺激を受けて緻密な内部組織を構成する特徴があります。
また、フライアッシュにはセメントが水和する際に生成される水酸化カルシウムが作用するポゾラン反応があり、緻密な硬化体組織となります。
『エシカルコンクリート TUTUMU』の短期の強度は配合修正により通常のコンクリートと同等であり、中長期の強度は増大する特性を有しています。
- 一般的なコンクリートのおよそ 2.5 倍※2の耐久性
『エシカルコンクリート TUTUMU』は、フライアッシュおよび高炉スラグ微粉末をセメント代替として用います。
そのため塩化物イオン浸透抵抗性の向上や、アルカリシリカ反応の抑制にも効果的であり、通常のコンクリートよりも製品の耐久性向上が図られます。
※1 工場毎に配合が異なるため、CO2削減割合は全社の平均値です。
※2 塩化物イオン浸透試験において、『エシカルコンクリート TUTUMU』の実効拡散係数は、一般的なコンクリートと比較しておよそ1/3 から 1/2.5 になることから、耐久性に優れていることがわかります。
高炉スラグ
高炉で銑鉄を作る際に発生する副産物です。
フライアッシュ
石炭火力発電所で微粉炭を燃焼する際に発生する副産物です。
再生骨材
建築物などの解体時に発生するコンクリート塊を破砕して骨材として再利用するものです。
資料画像引用:上田商会
参考・関連情報・お問い合わせなど
□株式会社上田商会
https://ueda-gr.jp/
『エシカルコンクリート TUTUMU』サイト
https://ueda-gr.jp/ethical-concrete/