概要
紙の野帳をデジタル化した建設現場アプリ「eYACHO」を展開する株式会社MetaMoJi(以下、MetaMoJi)と株式会社大林組(以下、大林組)および独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所(以下、安衛研)と共同で建設現場におけるリスクの見える化と安全対策の高度化を実現する安全AIソリューションを共同開発したニュースです。
MetaMoJi(メタモジ)って?
最近、CMでよく見かける「eYACHO」(イーヤチョウ)。
朝ドラ「カムカム」の榊原さんが工事現場に…?とキャッチーなので目にとまります。
紙の野帳をデジタル化した建設現場アプリとのことで、ライターとして気にはなっていたのですが、タイムリーに開発元からのリリースニュースもかさなりましたので、スギブログに投稿の運びとなりました。
はじめに、「eYACHO」の開発元の株式会社MetaMoJi(メタモジ)は、どのような会社なのでしょうか。簡単に経緯を見てみましょう。
MetaMoJiは、株式会社ジャストシステムの創業者で、一太郎の開発者でもある浮川和宣・初子夫妻が、2009年4月に計測機器メーカー・株式会社キーエンスと資本・業務提携したのを機に、2009年10月に同社の会長・副会長を辞任後、同年10月30日に設立したソフトウェア開発企業です。
ジャストシステムより「XBRL(Extensible Business Reporting Language)※」技術の譲渡を受けて事業を開始。
2011年2月には、初のコンシューマ用製品となる 7notes with mazec※を発売し、以後、各分野の法人向け、文教向けにタブレット端末やスマートフォン向けの業務アプリを開発提供して、今に至ります。
日本が作り出したワープロソフト「一太郎」のDNAをくむところが、「eYACHO」のも流れているとわかると、ペンタブで書ける機能性も創業者の想いもあるのだろうと思います。
また、建設現場ではキーボードで現場で入力するよりは、ペン入力で直感的に記入できる方が現場に適した仕様でもあります。今では、手書き文字に加え、スケッチ、カメラ、マイク様々な入力方法で現場の施工記録を入力し、クラウドを通じて関係者と情報共有でき、2015年に発売されて以来、建設企業の利用例が急増しています。
※XBRL
拡張可能な事業報告言語の意で、財務諸表などのビジネスレポートを電子文書化することでそれらの作成の効率化や比較・分析などの二次利用を目的として、XMLの規格をベースに作られた言語。
※ 7notes with mazec
手書きで簡単に入力可能。 手書き入力で誰でも快適に文字入力できるアプリ。
2020年にサービスは停止
eYACHO(イーヤチョウ)とは?
MetaMoJiの「eYACHO」サイトから引用しつつ、見ていきましょう。(https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/)
eYACHOは紙の野帳をデジタル化した建設現場アプリです。
eYACHO(イーヤチョウ)なら、図面も資料も一つに集約。
離れた場所でもリアルタイムに共有。
報告書や資料も、事務所に戻る事なく現場で完結。
現場管理の効率が飛躍的に向上し、残業削減に貢献します。
現場で働く技術者の野帳を、大林組の現場協力を得て、野帳をiPad一枚にしたという仕様。
記すよりは動画の時代。以下は、MetaMoJiから引用致します。ご覧ください。
eYACHOに安全AIソリューションを追加
そして、この度、ニュースリリース。
株式会社MetaMoJi(本社:東京都港区、代表取締役社長:浮川 和宣)は、
株式会社大林組(以下、大林組)、および独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所(以下、安衛研)と共同で、「安全AIソリューション」を開発し、本日より先行試用企業の募集を開始することを発表します。
なお、正式なサービス提供開始は2023年を予定しています。近年の建設現場では、高齢労働者や外国人労働者が被る労働災害の増加に加え、若手監督者への安全技能の伝承不足等から、労働安全衛生管理のさらなる高度化が求められています。
このたび発表するMetaMoJiの安全AIソリューションは、こうした課題を解決するため、安衛研の梅崎重夫氏が提唱する労働災害のIMTOC※表現を用いて、蓄積されている安全管理データからMetaMoJiが安全リスク評価のAIモデルを構築し、大林組における現場での評価を行いながら開発されたものです。
安全AIソリューションでは、MetaMoJiの業務アプリであるデジタル野帳「eYACHO」や「GEMBA Note」上に作成される安全衛生日報や作業計画書等の帳票上に、作業者や現場の状況に応じて関連度の高い安全管理情報を動的に抽出する「Dynamic Checklist®(ダイナミックチェックリスト)」を作成します。
これにより、個人の経験や勘に依存しがちなこれまでの安全管理業務を改善し、組織的にリスクの見える化と安全管理の高度化を実現します。
MetaMoJiと大林組は、今後もAIの活用により、DXを進展させる業務ソリューションの開発を進めてまいります。
※IMTOC表現とは、業種(I)・起因物(M)・事故の型(T)・作業その他の条件(O)および直接原因(C)の5つの要素によって、労働災害の事例を類型化し表現する方法
【安全AIソリューション概要】
MetaMoJiの安全AIソリューションは
『利用データ作成』
『リスク予測データベース構築』
『危険予知と安全対策の実施』
の3フェーズで構成されます。1.利用データの作成
組織内外に散在している労働災害情報をIMTOC表現でデータベース化します。2.リスク予測データベース構築
労働災害データから「自然言語処理AI」がリスク予測データベースを自動構築し、様々
なデータサイエンスに基づく分析からリスクを自動判定します。3.危険予知と安全対策の実施
現場では、MetaMoJiの業務アプリであるデジタル野帳「eYACHO」や「GEMBA Note」
上で労災情報を登録し、職種、使用機械、予測災害などから「Dynamic Checklist®
(ダイナミックチェックリスト)」等の帳票を生成し、徹底した安全対策を効率的に
行えます。【安全AIソリューション 先行試用企業の募集】
https://metamoji.com/jp/news/20220705/
MetaMoJiは、モニターとして安全AIソリューションの体験を希望する企業を本日7月5日より募集開始します。詳細につきましては担当営業にお問い合わせください。
■独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所について
事業場における災害の予防並びに労働者の健康の保持増進及び職業性疾病の病因、診断、予防その他の職業性疾病に係る事項に関する総合的な調査及び研究を行うことにより、職場における労働者の安全及び健康の確保に資することを目的とした厚生労働省所管の独立行政法人労働者健康安全機構傘下の研究所。
■大林組について
1892年の創業以来、大林グループは「誠実なものづくりの姿勢」や「技術力」という先人達から受け継いできたDNAを根幹に、時代を象徴する数々のプロジェクトに携わってきました。「持続可能な社会の実現」を目指し、インフラ整備、都市の再開発、災害からの復興事業、海外での開発支援、再生可能エネルギー事業など、変革する社会とともに既存の事業の枠にとらわれない新たな価値の創造に向けて挑戦を続けています。
■株式会社MetaMoJiについて
株式会社MetaMoJiでは、先進的なIT技術をベースに、法人向け、個人向けアプリケーションを開発・提供しています。キーボードを前提としたこれまでのPCに比べ、タッチスクリーンと、より洗練されたインターフェースを持つタブレット端末では、人間とコンピュータの間の距離をもっと縮めることができると考えています。※Dynamic Checklistは、MetaMoJiの登録商標です。
※Dynamic Checklistは、MetaMoJiの登録商標です。
おわりに
MetaMoJiは、2022年7月5日から10月末まで、モニターとして安全AIソリューションの体験を希望する企業を数社募集しています。
同社と定期的な打合せや検証用の労災データを提供したりすることなどが条件ですが、安全衛生コンサルテーションとAIソリューション構築サービスの無償提供という特典が提供されます。
AIが現場の危険事項を察知して、リスト表示してタブレットに通知。それを現場がきちんと察知して対策するかどうかは人間の判断次第です。
AIが知らせてくれてたのに、対策できなかったでは、いただけません。
まずは、現場運用からが本格的な精度向上が期待できます。
AIは現場の声(データ)を欲しているからです。
本日も読んでいただき、ありがとうございました。
参考・関連情報・お問い合わせなど
□株式会社MetaMoJi https://www.metamoji.com/
リリース記事: https://metamoji.com/jp/news/20220705/
報道関係者の皆様からのお問い合わせ:
https://www.metamoji.com/jp/?page_id=44
広報担当 津田・大橋
電子メール: info.ja@metamoji.com
電話番号: 03-5114-2525
□株式会社大林組 https://www.obayashi.co.jp/
大林組の取り組みに関するお問い合わせ:
電子メール: press@ml.obayashi.co.jp
□独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
https://www.jniosh.johas.go.jp/index.html