概要
ENEOS株式会社(以下、ENEOS)と株式会社アイ・ロボティクス(以下、アイ・ロボティクス)は、共同でドローンを活用した石油タンクの塗装の実用性を検討。
ドローン塗装には、アイ・ロボティクスと日本製鉄株式会社、日鉄テックスエンジ株式会社が共同で開発した、ドローンでの壁面塗装を含む技術である「ドローン壁面補修」が活用された。
機械化・遠隔化・自動化によるタンク補修課題の解決へ
先進国におけるインフラ老朽化と労働者不足が深刻度を増している昨今、その補修に際しては仮設足場を利用した工法も有効である一方、工期の長さやコストの高さ、自然災害による倒壊の可能性や、安全面においては落下事故の危険性がある。
そもそも高所作業を行うエンジニアの不足もあることから、高所作業をドローンやロボットに置き換えていくことが必要な状況となっている。
そんな中、ENEOSとアイ・ロボティクスが共同で、「ドローン壁面補修」の技術を活用し、石油タンクの塗装を行うという実証実験が行われた。
実証ではドローンを上空に静止し、電動ウインチで特殊デバイスを搭載した外壁吸着ロボットを吊り上げる。その外壁吸着ロボットにて高圧洗浄や塗装を行うという流れだ。
ドローンの挙動、ウインチの巻き上げのスピード、吹き付ける塗料の粘度やスピードなど、これら全てを非常に高度なすり合わせ技術によって精密制御しているという。実証の動画は以下で確認できる。
経済産業省資源エネルギー庁の統計によれば、国内には原油貯油タンクが500基以上あるとされているようで、半製品や燃料油のタンクも含めると、その数は10倍以上になるそうだ。
また、福島第一原子力発電所の処理水タンクは1000基を超える拡張がされ続けており、この老朽化も差し迫っているという。
今後、両社では引き続き国内製油所での実証実験を計画しており、今回の実証を行うことでさらなる最適化を進め、世界に先駆けたタンク補修の機械化・遠隔化・自動化を実現していくとしている。
参考・関連情報・お問い合わせなど
□株式会社アイ・ロボティクス:https://www.irobotics.jp/
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