概 要
大成建設株式会社(以下、大成建設)と、空中空間開発株式会社(以下、空中空間開発)の2社が共同で、シールドマシンのカッタービットを遠隔操作によって安全に交換できるロボットを開発した。
尚、この技術は2021年に開発されたシールドマシンの内部から先行ビットを交換できる工法である「THESEUS工法」に改良を加えたものとなる。
ビット交換時間を4割短縮、且つ安全性を格段に向上
大成建設と日立造船株式会社が共同開発した、シールドマシン内部から可動式マンホールとスライド式交換装置を用い、ビット交換を行うことが可能な「THESEUS工法」がある。
この工法は、シールドマシンの口径に関係なく、カッターヘッドに装着された先行ビットを内部から難度でも交換できるという工法となるが、課題点として、ビットへアクセスする可動式マンホールの取付位置や、マシン口径の大きさ、ビット配置により、交換者は無理な体勢で作業を行う必要があった。特に手の届きにくい位置のビット交換には時間と労力がかかるという。
安全面においても、大口径マシンになると持ち運ぶのも困難な大きく重いビットを扱うことになるため、交換作業の効率低下や手などが挟まれる危険性があった。
このような既存の「THESEUS工法」の課題点から、両社ではカッタービットを交換するロボットを開発。ロボットは、カッタースポーク内に予め設置されたレールの上を自走。遠隔操作も可能となっており、これまでの人力よりも効率よく安全に交換できるようになっている。
また、この改良された「THESEUS工法」のロボットによるビット交換は、実物大モデルを用いて実証実験が行われ、ビット交換手順とその効果が確認されている。
改良後工法のビットの交換手順は以下となる
①~③は遠隔操作。④は手動。尚、新ビットの取り付けは逆の手順で実施される。
この新しい工法で、従来の「THESEUS工法」と比較し、交換時間が約4割削減。10分程度でビット交換が可能となる。
今後、両社ではロボットのセンシング機能などを充実させることで、ビット交換作業の全自動化を目指し、さらなる生産性と安全性の向上に努めていくとしている。
参考・関連情報・お問い合わせなど
□大成建設株式会社:https://www.taisei.co.jp/
参考記事URL:https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2022/220324_8713.html
□地中空間開発株式会社:https://ugitec.co.jp/
□この件に関するお問い合わせ先
大成建設株式会社
お問い合わせフォーム:https://www.taisei.co.jp/contact/