こんにちは。携帯電話の通信規格であるLTEの基地局を中継することで、広範囲の飛行を可能にするLTE対応ドローン。2022年度のレベル4解禁を受け、より注目を集めています。
本日は、エアロセンス株式会社(以下、エアロセンス)と、株式会社建設技術研究所(以下、建設技術研究所)が、エアロセンスの「エアロボウイング」を活用し、8基の砂防ダムを一度で点検するという実証実験を実施したという話題。ちなみにLTE通信機能を搭載したドローンとしては国内初とのことです。
エアロボウイングがDXによる安全で効率的な山間調査に貢献
砂防ダムとは水ではなく土砂災害を防止する目的のダムで、ダムの点検の際には山奥に存在している現地まで人が足を運んで点検を行っていたそうです。しかし、近年では労働人口の減少、高齢化や、異常気象に伴う災害の増加によって、人が現地に向かわなくても点検を行える安全かつ効率的な点検方法が求められています。
そこで、エアロセンスと建設技術研究所では、LTE通信機能を搭載している「エアロボウイング」を活用することで、人が現地まで点検に向かうという従来の点検方法が不要となる他、安全な場所からドローンを離着陸させ、広範囲に点在している砂防ダムを一度で確認することが可能になったとのこと。
資料:エアロセンス
この度の実証実験の場合、従来の点検方法では通常1~2日かかっていた点検が、エアロボウイングを活用することで、現地への立ち入りが不要なことはもちろん、点検飛行時間が10分以下で済むという大幅な時間短縮を実現しています。
資料:エアロセンス
エアロボウイングとは、エアロセンスが設計、開発、製造から販売までを一貫して行っている垂直離着陸型の固定翼ドローンです。従来のマルチコプター型ドローンと違い固定翼となっており、プロペラの力でヘリコプターのように垂直に離着陸、ホバリングができるようになっています。
砂防ダムは山間部に点在していますが、山間部は飛行経路の高低差が大きいことから、従来型のドローンではバッテリーを多く消費してしまうという課題があり、ダムを1基検査するごとに離着陸を繰り返す必要があったそうです。しかし、最大時速100km、最大航続距離は50kmと広域の調査が可能なエアロボウイングは、高低差のある場所においても水平飛行に移行し、旋回上昇・旋回下降をすることで、従来のマルチコプター型ドローンよりも大幅に使用電力を抑えることが可能とのこと。
課題点として、山間部での広範囲な飛行では山奥まで見通しがない飛行経路になることで、操作端末との通信が山で遮断され、映像伝送ができなくなるということがあったようですが、LTE通信機能を搭載することでその課題を解決しています。
今後、エアロセンスでは、このLTE通信を搭載したエアロボウイングを活用することで、災害予防や迅速な復旧支援への貢献を目指している他、山間調査のDXとして、定期点検による災害予防、砂防ダムへの立ち入りが困難となる災害直後の緊急調査などでの活用も期待されています。
資料:エアロセンス
□エアロセンス株式会社:https://aerosense.co.jp
LTE通信機能搭載ドローンとして国内初、一度に複数の砂防ダム点検を実施~「エアロボウイング」が、DXによる安全で効率的な山間調査に貢献~
プレスリリース記事:https://aerosense.co.jp/pressitems2022/0310
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