概 要
名古屋鉄道（以下、名鉄）は、グループの中期計画目標の重点テーマとして掲げている交通事業の構造改革における、新技術の活用等により業務効率化の一環として、2022年4月から鉄道構造物の定期点検業務におけるドローンの活用を開始すると発表した。
操縦士の育成から運用までのワンストップ体制を構築
名鉄グループでは、中期経営計画として「Turn-Over2023～反転攻勢に向けて～」を重点テーマとして掲げている。
テーマが掲げられた背景としては、新型コロナウイルスの感染拡大により「移動需要の減少とインバウンド需要の蒸発」「都心集中から郊外部への分散の流れ」「新しい生活様式の定着」「デジタル化の進展加速」というように、事業環境が激変したことがあげられている。
この環境を乗り越えるべく、2023年までに地域価値の向上に努め、永く社会に貢献し続けるために新たな社会経済情勢に対応し事業を変革し、強靭な企業グループに再生を図ることで、次の成長に繋がる基盤を構築としている。
その「Turn-Over2023～反転攻勢に向けて～」の基本方針は以下
地域価値の向上に努め、永く社会に貢献し続けるため、コロナ後の新たな社会経済情勢に対応して事業を変革し、強靭な企業グループに再生を図ることにより、次の成長に繋がる基盤を構築する。
名鉄グループ中期経営計画「Tuen-Over2023～反転攻勢に向けて～」より
URL：https://www.meitetsu.co.jp/profile/company/plan/__icsFiles/afieldfile/2021/08/29/turn_over2023_202103.pdf
そして基本方針を成し遂げるための事業の構造改革への具体的取り組みのひとつに「交通事業の構造改革」がある。
交通事業の構造改革
名鉄グループ中期経営計画「Tuen-Over2023～反転攻勢に向けて～」より
当社グループの基盤である交通事業について、新たな生活様式の定着に伴って需要がコロナ前には完全に戻らないことを想定し、また、人口減少社会の到来を見据え、安全・安心を確保しつつ、公共交通サービスを安定的・持続的に提供するため、事業構造改革を行い、長期的な安定経営を実現する。
URL：https://www.meitetsu.co.jp/profile/company/plan/__icsFiles/afieldfile/2021/08/29/turn_over2023_202103.pdf
この「交通事業の構造改革」は、鉄道事業や乗合バス事業、タクシー事業などそれぞれの事業において目標が掲げられており、今回発表されたドローンの活用は、鉄道事業の目標のひとつである「新技術の活用等による業務効率化」にあたる。
名鉄では、2022年4月より高架橋や橋梁などの鉄道構造物の定期点検業務に活用していくという。
鉄道構造物は2年に1度の定期点検が実施されているが、これまでの点検方法としては点検員の目視を基本とするものであった。そのため、高所などでは足場の仮設や高所作業車などが必要となり、時間等コストや安全対策の面においても課題があったという。
これらの点検業務の一部をドローンに置き換えることで、点検時間の短縮や点検員の安全確保に繋げるものとなる。
また、このドローンによる定期点検業務でドローンを操縦するのは、名鉄が運営する「名鉄ドローンアカデミー」でスキルを習得した係員がおこなう。このように自社が運営するスクールでの操縦士の育成から、現場での運用までをワンストップでおこなう体制を構築するのは鉄道会社では国内初となる。
参考・関連リンク
名古屋鉄道：https://top.meitetsu.co.jp/
記事参考：https://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2021/__icsFiles/afieldfile/2022/03/22/220322dronetenken.pdf
名鉄ドローンアカデミー：https://drone.meitetsu.co.jp/
名鉄グループ業種別リスト：https://www.meitetsu.co.jp/profile/group/train_bus/index.html
