2017年度 日本建築学会大会にて講演をおこないました

sugitec

こんにちは。いよいよ9月となりました。だんだんと朝晩が涼しくなってきましたね。昼間は相変わらず暑いですが、熱中症に気をつけるのは勿論、朝晩の温度変化で風邪をひかないように気を付けていきましょう。

広島工業大学にて赤外線と打診についての講演


2017年度 日本建築学会大会

本日は、昨日8月31日に広島工業大学でおこなわれた「日本建築学会大会[中国]」で、我々スギテックが講演の場を頂けることになりましたので、発表をおこなってまいりました。

ちなみに日本建築学会とは、広く建築に関する学術・芸術・技術の発展を図ることを目的とし、1886年(明治19年)に創立されました。この日本建築学会大会は毎年開催されており、学術講演、建築デザイン発表会、関係する多くのシンポジウムや研究協議会などが開催される建築学会最大の行事です。

今回スギテックからは代表の杉山と東京支店長の杉山和也が登壇しました。講演の内容は「タイル浮き調査における赤外線法と打診法の比較事例」。

タイル貼り外装の調査方法のメリット・デメリット

近代建築の歴史の中で、古くから外装にタイル貼りが施されていました。タイル貼りは建築物の格調を高め、構造体(鉄筋コンクリート)を外部環境から保護する役割を担ってきました。

しかし外部環境の影響を直接受けるために劣化が生じやすく、タイルの浮きによる剥落落下事故が近年多発しています。これが大きな社会問題となり、このような事故を未然に防ぐための予防策として、建物診断の精度が非常に重要になります。タイルの調査方法としては、従来打診方法が用いられていますが、近年サーモグラフィによる調査方法(赤外線法)が確立され多用されています。

講演では、打診・赤外線の両調査方法のメリットとデメリットの比較検証した内容を発表しました。

近年、赤外線カメラを扱った外壁調査をおこなう業者等も増えてきました。赤外線カメラで得られた結果は、概ね精度の高いものではありますが、その結果だけでは100%と言えないのが現状です。また、赤外線調査では明確に浮きの範囲を特定することにおいて、その基準を設けるのが難しいという面もあります。

一方の打診調査は、調査員の経験年数などのスキル面でのバラつきが出ることがあります。音の聞き分けや判断など、経験の少ない者と熟練者とでは、調査結果に大きな違いが出てきます。

しかし、音を聞き分けることで、音の違いから浮き界面をある程度特定することができます。足場仮設が必要になる場合が多く、その分コストも高価になりますが、後の補修・改修計画をおこなうことが出来ることにメリットがあります。

発注側・提案側共に両手法の十分な把握が必須

赤外線調査が安いからそれでいい、赤外線の調査結果だけを鵜呑みに改修を任せる、などは不十分で危険と言わざる得ません。

勿論、様々な現場・現状があるので一概には言えませんが、それぞれのメリットやデメリットを把握した上で、どこまでの調査をおこなうのか?改修は?など目的を明確化した上で、調査方法を選定する必要があります。

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