このブログでも何度か取り上げてきたAR/VR技術ですが、先日株式会社インフォマティクスが開発・販売をおこなう建築分野向けのAR/VR技術を使った「GyroEye(ジャイロアイ)」という製品のニュースを目にしました。
現場でのARを技術の活用
これはマイクロソフトが開発した「HoloLens」というものを装着して使用するものになっています。「HoloLens」は頭からかぶる、いわゆるヘッドマウントディスプレイとは少し違っていて、大きめのサングラスのような形になっており、Windowsシステムが搭載されているので、それ単体で動かせるARシステムというのがウリです。
よくあるヘッドマウントディスプレイ型のシステムはそれを接続するPCなどが必要ですが、これは接続する機器を必要とせず単体で動かせるので機動力があり活用範囲も広いと言えます。
ARとは?
もうご存知の方も多いとおもいますが、ARとは「拡張現実」のことです。レンズを通して見ることで、現実世界にはない映像を現実世界に投影することができるシステムです。
それを建築現場向けに活用したのが「GyroEye」
これは現場で設計図面などの情報を1分の1の実寸で投影することができるということで、建築墨出し、保守メンテナンスや完成チェックなどを主な目的として開発されています。
実際の現場で実寸台の図面がそのまま出てくるというのは、言葉だけ聞くと「そうなのか」という感じですが、これは実際に体験してみると凄いものなのだと思います。
個人的にARではなくVRシステム、しかもスマホなどの簡易型ではない物を体験したことがあるのですが、体験前までは「どうせよくある大きな映像が360度で見れるだけのものなんだろう」と思っていましたが、とんでもない新次元でした。
完全に視界がジャックされているので本当にその映像の中に入り込んでいる体験です。また、頭の動きに合わせて映像も追従するので、それはもう現実としか脳が認識できなくなります。何か怖いですが視覚と聴覚を支配することで、人間の感覚90%以上をコントロールできるのがVRデバイスのようです。
YoutubeなどでもVRデバイス用の動画が増えてきていますが、普通に見たら全然怖くないホラー映像なんかもとてつもなく怖くなります。脳の感覚がその場にいるとしか認識していないんですから。
少し話が逸れましたが、このARシステムに関してもこの手のデバイスは「なるほどな」と思うのと実際に体験してみるのとでは、全然話が変わってくる代物だと思います。「こんなに便利なのか!」となるかもしれませんね。
今の所は2次元図面だけですが3次元データも対応予定ということで、3次元で投影されると先日ご紹介したような、現場での足場仮設の確認であったり、改修後の外観を確認したりといったことがタブレットなどを通してではなく、自分の視点で確認できるようになりそうです。
こういった技術は一過性で終わらずどんどん進化していって欲しいですね。