今回は耐震補強の工法についての話題。
タイトルにもありますが、包帯?と思われた方もいらっしゃると思います。そうです包帯です。包帯と言ってもあのガーゼの包帯ではないですが…
ポリエステル製の繊維を織り込んだベルト・シート材をコンクリート構造物の柱などに専用接着剤で、ぐるぐる巻にして貼り付けることで補強する工法で「SRF工法(別名:包帯補強)」と言います。環境にも配慮したホルムアルデヒドなどを含まない優しい素材です。
包帯でぐるぐる巻き?の補強工法
出典:SRF工法(構造品質保証研究所)
スギテックでも勿論この工法をさせていただけます。
包帯補強工法の凄さ
この包帯補強(SRF)工法の凄いところは、その安全性です。過去に実際に起こった震度6~7クラスの地震と同じ条件の地震波を与えた実験の結果、通常の鉄筋コンクリートの場合では、地震波を4度受けた時点でボロボロに潰れるという結果になりました。
一方のSRF工法を施した鉄筋コンクリートでは、7度もの地震波を受けてなお、中身のコンクリートには損傷はないという驚きの結果です!実験だからじゃないの?確かに実験の予想を超えるのが自然災害の怖さです。ですが、このSRF工法。実際にあの3.11の震災に耐えている事例があります。
【ケース1】
仙台にある某マンション(築40年)では、当初高額な費用がかかるということで見送っていた耐震化工事ですが、2010年に臨時総会による拠出費用の決議からSRF工法を用いた耐震化工事をおこないました。その後に3.11の震災。ですが、建物に大きな被害や問題もなかったようです。
【ケース2】
こちらも仙台の某マンション。こちらはピロティの柱30本をSRF工法にて改修済みでした。3.11の震災後はSRF補強部分の柱、タイルともに異常はありませんでした。逆にSRF補強を施していなかった部分は、タイルの損傷や崩落がありました。
いずれも「揺れが少なかった」という声が多数あったようで、このSRF工法工法の効果の高さがうかがえます。このSRF工法は柱だけではなく、壁などにも施工することが可能で、地震などの際は仕上げ部分やタイルなどの脱落も考えられます。
ビルの外壁タイルの脱落事故などからも分かるように、非常に危険なものですが、SRF工法を用いることで脱落の危険性も回避することができる、優れた工法と言えるでしょう。
特長をまとめると
人や環境に優しい素材の耐震工法
SRF工法は健康を害する物質であるホルムアルデヒドなどの有害物質を含みません。施工時は粉塵や騒音の臭気なども出ないことから安心・安全です。
低コスト・短納期。施工の簡単さと工費の節約
専用の接着剤を塗り、高延性材(ここで言う包帯)を巻き、仕上げを行うという流れで、施工方法に手間がかからず、素早い施工が可能なことと、施工費用が従来の工法に比べて安価です。場合によっては10分の1の工事費用になったという事例もあります。
部分的に改修対応が可能
まずは壁に施工する。ピロティ部分だけを補強する。そのように段階的に計画的に改修をおこなっていくことが可能です。
いかがでしょうか?
勿論この工法は公的な評価も受けており、日本建築防災協会からの技術評価、土木研究センター審査証明、兵庫県知事賞の受賞など、第三者機関による認定の実績もございます。
低コスト、短納期でその効果も実証済みのこのSRF工法。これから先いつ起こってもおかしくない大地震に備え、一考に値する耐震補強工法としておすすめさせていただきます。