建物は長く価値を維持していく考えの欧米
欧米の方では住宅などを、購入者自身がリフォーム・メンテナンスするといういわゆるDIYの考えが多く、建物の健康状態を長く維持しています。頻繁にメンテをおこなうことで、価値を落とすことなく維持していく考えですね。
そもそも海外と日本とでは、住宅に対する考え方や政策が違うので仕方のない所ではありますが、新築の建物よりも古い建物の方が価値があるという市場です。(住宅に関しては海外ではなんと、売買取引の9割もが中古住宅ということです)
その理由としては、海外では売ることを考えて頻繁にメンテナンスをおこなっているので、建物自体の年数が経っていたとしても、その価値は下がるどころか、むしろリフォーム・メンテナンスをおこなっていることで価値が上がる場合も多いようです。
場合によっては買った時よりも高く売れる場合もあるようで、買うこと自体が目的になっている日本とは少し違いますね。
日本では「中古=人が使った古いもの、新品より価値のないもの」という判断が一般的ではあり、この辺りは定められた減価償却や耐用年数の基準があるのも要因でしょうか。
年数が経ってしまった住宅はほとんど価値がなくなってしまうという考えは勿体ないですね。住宅や大きな建物、小さな建物に限らず、ストック&リノベーションの考えで今ある建物を活かしつつ、資産価値を維持していきたいですね。
こちらは神楽坂にある「la kagu(ラカグ)」
新潮社の旧倉庫をリノベーションして新たにキュレーションストアとして生まれ変わらせたお店で、もともとは昭和40年代に建てられた倉庫だったそうですが、約20年間も空き倉庫だったようです。
街に根付いている景観を壊したくないという思いから、外観デザインもあえてさびれた感じの雰囲気を活かした造りで、クールでオシャレな建物になっていますね!
こういった考えでの建物のリノベーション・改修が増えることで、その場所の持つ歴史や味のある景観が受け継いでいかれるのではないでしょうか?
京都市では厳しい景観条例があるが、景観を守るための行いとして、京の町家然りこういった建物の現状を活かしたリフォームや改修もおこなうことで、古い街並み・歴史を活かした街自体の雰囲気を創り出していけるのではないだろうか。