こんにちは。2年ほど前に三井住友建設が発表していた、鉄筋の出来形を自動的に検測できるTOFカメラを活用した鉄筋出来形自動検測システムが、その名も新たに「ラクカメラ®」として公開されました。
このラクカメラのシステムは、デプスカメラを搭載しているタブレット端末て、配置されている鉄筋を撮影するだけで、鉄筋径や配筋の間隔を自動検測できるシステム。
リアルタイムに鉄筋の出来形を自動検測できるシステム
システムの仕組みとしては、まず撮影にはデプスカメラを使用します。デプスカメラとは色の判別用の色画像用カメラと、撮影対象物との距離を測定するための赤外線レーザーを照射する距離画像用のカメラの2種類が搭載されたカメラのことです。
資料:三井住友建設
デプスカメラで対象の鉄筋を撮影することで、色画像データ・距離画像データが取得でき、この色と距離を合成することで、鉄筋径や配筋間隔を検測することが可能となっています。
また、このように検測結果をデータ化して記録できる他に、検査用の写真や帳票も自動的に作成できます。
資料:三井住友建設
従来の出来形検測は、立ち会い検査時に計測者と黒板を持つ者、撮影者、発注者の4名が携わります。検査は鉄筋径と鉄筋の種類を区別するために、マーキングや配筋間隔を示す標尺等を設置したうえで鉄筋出来形の計測や写真撮影を行っています。
このラクカメラを活用することで、配筋の写真撮影と検測位置の指定をするだけで、鉄筋径や配筋間隔の検測・表示を自動化し作業効率を高め、また従来4名必要であったところが、撮影者と発注者の2名で立会検査と撮影ができることから、省人、省力化できます。
資料:三井住友建設
生産性の部分では、従来は延べ100分/箇所の時間がかかっていたそうですが、ラクカメラを活用した場合、延べ30分/箇所で検測ができることから、大幅な生産性向上となっています。
資料:三井住友建設
従来の作業は完全なアナログ作業で、労力もコストも掛かっていましたが、カメラで撮影するだけで帳票の出力までが可能なことから、このラクカメラを使うことで圧倒的な省力化が可能であることが分かります。
今回の鉄筋の出来形検測に限らず、現場ではまだまだ従来のアナログ的な作業は多く残っていると思われますが、カメラやセンサーの性能も高性能に高機能になっている近年。いかにそれらをうまく活用し、アナログをデジタルに変えていくのが重要であるかということが分かります。
□三井住友建設株式会社
リアルタイム鉄筋出来形自動検測システム「ラクカメラR」
リリース記事:https://www.smcon.co.jp/service/rac-camera/
この件に関するお問い合わせ
三井住友建設
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