無人運航船プロジェクトでドローンでの係船作業自動化を実証

sugitec

こんにちは。先日、中山間地域の配送問題等をドローンにより支援する実証実験を行ったという話題をご紹介した、株式会社A.L.I. Technologies(以下、A.L.I.)ですが、今度は無人運航船のプロジェクトを株式会社商船三井(以下、商船三井)と共に実施したという話題。

このプロジェクトは、現在日本財団が推進している「MEGURI2040」という、無人で運航する内航船(国内のみの輸送を行う船)を成功させるプロジェクトの一環として2022年1月にA.L.I.が商船三井と共に、世界初となるドローンを活用した係船作業の自動化の実証を行うというものになります。

係船作業を安全かつスキルレスに。自動化システムを確立

近年、あらゆる業界において人手不足が課題となっておりますが、内航海運業界も例外ではありません。またこれも同じく従業員の高齢化も深刻な問題となっています。

プロジェクトではこれらの課題を解決するため、船員の労働負担を軽減する他、ヒューマンエラーによる海難事故を防止し、さらなる安全運航の向上を実現していく仕組みをつくることが求められています。

「MEGURI2040」プロジェクトは、2020年に開始されてよりA.L.I.では商船三井が代表を務めているというコンソーシアムで、各企業と連携し無人運航船の実現に向けて各種実証実験に取り組んできているとのこと。これまでに培ってきたドローンの開発技術、運航管理システムを提供し、実証運航において係船作業の自動化に成功しています。


出典:日本財団「MEGURI2040プロジェクト」

この無人運航船プロジェクトの特徴は2点あり、1点目はそれぞれ特徴の異なる「内航コンテナ船」と「内航フェリー」の2隻で実験を行うことで、両船型の相違点や共通点を明らかにすることにより、汎用性ある技術開発に繋げるという点。

2点目は係船作業の自動化を目指し、ドローンを使った係船実験を行うこと。となります。特にこの係船作業自動化が特徴となっており、通常の着船作業は、乗組員が岸壁にいる作業員にロープを投てきして渡します。


出典:A.L.I. Technologies

今回行われた実証では、A.L.I.の自律飛行型の独自開発ドローンが、係留ロープをつかんだ状態で船上から飛行し、港側の係留柱にセッティングして係船を完了。そこから係留ロープを切り離して再度船に戻ってくるという、一連の係船作業の自動化に成功したとのこと。

A.L.I.では、今回のこの実証結果をふまえ、今後は係船作業の自動化のみならず、A.L.I.独自のドローン開発技術・運行管理システムを多方面から活用し、自動運航の技術構築に貢献していくとしています。


□A.L.I. Technologies
無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」にて ドローンによる係船作業の自動化を実証~係船作業を安全かつスキルレスにする自動化システムの確立~
リリース記事:https://ali.jp/2022/01/26/8980/

□A.L.I.公式サイト:https://ali.jp/
□お問い合わせ先:infoali.jp

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