こんにちは。今年の10月下旬にFacebookがMetaへ変更してからというもの、日々メタバースという言葉がニュースを席巻している状態です。
メタバースという言葉には色んな文脈があり、一様にこれがメタバースだと括れるものではありませんが、ネット上に存在する空間、ということは言えます。その空間の中で、色々なサービスが利用できるというイメージでしょうか。
そんなメタバースが話題となる以前より、空間の中で遠隔から複数の人間がコミュニケーションできるサービスを、鹿島建設株式会社（以下、鹿島建設）と株式会社リコー（以下、リコー）が構築しています。
出典：鹿島建設
VR空間を利用し、遠隔から現場の配信映像内に同時参加可能なシステム
鹿島建設とリコーは、21年5月から稼働中の現場にリコーの「リコーバーチャルワークプレイス（以下、VWP）」を導入。VRを活用した遠隔現場管理を行っているそうです。
コロナ禍の影響で遠隔管理等のシステムは増えてきていますが、従来の実施方法、例えばウェブカメラでの遠隔臨場では、カメラの画角は一定であることから、遠隔参加者は現場全体を把握するということが難しくなります。
そこで、その遠隔現場管理システムをさらに高度化するべく、360°カメラの「RICOH THETA」とライブストリーミングサービスである「RICOH Live Streaming API」を適用することで、VR空間内でのコミュニケーションが360°のライブ映像内で行えるという機能を追加。この機能追加で、複数人がいつでもどこからでも360°ライブ配信映像内に同時参加できるようになっています。
出典：鹿島建設
360°カメラにすることで、webカメラのように固定された画角では確認できない箇所の見落としがなくなります。また、360°見渡せることでまるで現場にいるような感覚で周囲の状況を確認でき、見るだけでなく参加者同士が自由にコミュニケーションを取ることができることから、合意形成がより迅速にスムーズになります。
VRゴーグルでの参加者は、より臨場感がありますが、その他PCやタブレット端末からも360°映像を見たり参加できたりが可能です。
出典：鹿島建設
ちなみにシステムは、工場での遠隔検査も実施したそうです。360°カメラとwebカメラを持ったスタッフが1名、現場へ向かい、検査の様子をライブ配信。その他関係者は遠隔から検査に参加したとのこと。遠隔検査は支障なく完了できたことから、移動時間短縮や関係者のスケジュール調整手間の軽減など、生産性の大幅向上を実現しています。
鹿島建設とリコーは、メタバースの時代を見据え、バーチャルコミュニケーションによる遠隔臨場のさらなる高度化を追求し、生産性の高い建設現場モデルを構築していくとしています。
□鹿島建設株式会社
VR空間を利用した遠隔現場管理システムに複数人がいつでも遠隔から同時参加できる360°ライブ映像機能を追加
リリース記事：https://www.kajima.co.jp/news/press/202112/20c1-j.htm
