こんにちは。工事現場では進捗を確認するために、現場の工事写真を撮影するのが基本となっています。その中で建物の屋内で撮影する工事写真は位置情報を判定することが難しいため、手入力でそれぞれ写真の管理システムに入れている、というのが多くの現場での状況のようです。
またこの状況の大変な面として、違う日付の写真比較を行うことになった場合、それぞれの写真の入った日付のフォルダを探し、その中から同じ位置情報の写真を探すという手間がかかるのが課題となっています。
そこで、今回のドローンを活用した屋内現場の進捗管理の実証実験が行われました。これは株式会社大林組(以下、大林組)と株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)、エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)の3社での取り組みとなります。
建設現場の負担軽減を目指す取り組み
3社の実証実験は、東京都品川区にある建設現場約500㎡の屋内にて数日間隔で複数回に渡り行われました。現場の写真はドローンが自動で撮影。撮影した写真は3Dデータ上の任意箇所をクリックすることで、その場所の写真を閲覧することが可能。これによって同じ場所で撮影された写真を時系列で比較することが容易になります。
出典:大林組
使われたドローンはSkydio社製の「Skydio2™」で、飛行に関するソフトウェアに関しては、ドコモが技術検証用に開発した飛行プログラムでNTTコムウェアのソフトウェアとなる「SmartMainTech」シリーズ「KnowledgeMap 4D」を活用しているとのこと。
「Skydio2」はドローン機体の上下に計6個のカメラが搭載されており、取得した映像から周りの3次元環境と自己位置を推定し、障害物を回避する性能を持っています。機体自体も小型のため、狭小な空間でも飛行可能で、建設現場のような複雑な空間でも撮影しながらの安全な飛行を可能としています。
ドコモの開発した飛行プログラムもこのSkydio2向けに開発されており、多地点を通るルートの事前設定やGPSの取得しづらい環境においても複雑なルートを自律飛行することができるようになっています。
出典:大林組
「KnowledgeMap4D」はドローンが飛行した軌跡や撮影点を3D空間に配置できることから、撮影時のドローンの位置や高度などの把握が可能。撮影した画像を3Dデータ化し取り込むことで、現場を再現した3D空間上に工事写真の撮影箇所を反映させることができるそうです。
出典:大林組
日々撮影を行う工事写真は数も膨大になってきますし、それを扱う際に探さないといけないという場合もあり、多くの時間を無駄にしていると感じている方も多いと思います。ご紹介したこのドローンでの管理は、ドローンもそうですが活用するソフトウェアが便利ですね。3Dデータ化されることで、視覚的にも位置が把握できるのは格段に見やすいですね。一般リリースが待たれます。
□株式会社大林組
ドローンを活用した屋内建設現場の効率的な進捗管理の実証実験に成功
リリース記事:https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20211217_2.html
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