記事のポイント
・Boston Dynamics社(以下、ボストンダイナミクス)のプロダクトである自律型四足歩行ロボットのSpotと、NikonTrimble社(以下、ニコン・トリンブル)の測量センサーのコラボレーション製品のリリースが発表された。両社は2020年10月20日に戦略的提携を締結している。
・四足歩行ロボット Spotと3DレーザースキャナTrimble X7の組み合わせにより、建築、土木、インフラ、プラントなど、各種の測量計測データの自動収集を目的としている。
自律四足歩行ロボットと点群計測ソリューションの統合によってDXを加速させる
2020年10月に戦略的提携を締結しているニコン・トリンブルとボストンダイナミクスは、自律四足歩行ロボットの「Spot」に、レーザースキャナーの「Trimble X7」を組み合わせた製品を販売する。
これは建築、土木、インフラ、プラント等分野の過酷な現場における各種の測量計測データを自動収集することを目的としている製品だ。世界的にも労働力の減少している状況下で、ロボットと測量センサーによるデジタルツインを実現していく。
Spotの自律的機動性と、ニコン・トリンブルのセンサー制御を「FieldLink(フィールドリンク)」というソフトに集約し、Spotを全自動、また遠隔ナビゲートしながら現場の点群計測、進捗モニタリングなど、反復的タスクを自動化する。作業者が入れないような現場においても、縦横無尽に移動可能なSpotの能力を最大限に活用。
尚、製品はユーザーがすぐに活用可能なターンキーソリューションとなっており、ニコン・トリンブルはこの3Dレーザースキャナ Trimble X7搭載のSpotの国内販売を開始する。
この度のソフト統合では、点群データの自動取得に焦点を当てているとのことで、3DレーザースキャナX7の制御ソフト「FieldLink」の最新バージョンにはSpotの制御機能が実装されているそうだ。
Spotが事前設定されたウェイポイント上で自律的に点群の取得を行い、定期的な設計検証や施工進捗のレポートを行うようにスケジュールすることも可能となっている。この統合で、点群計測の効率化と、現場やオフィスでのリアルタイムな現況データ分析が飛躍的に向上するとしている。
取得される点群データは、移動中でもタブレット上でリアルタイムに合成が行われるため、ロボットのミッションを制限することはない。Spotが現場で充電用ステーションに戻ることで、Spot本体とTrimble X7のバッテリーも同時充電が可能だ。また、充電用ステーションからネットワーク経由でオフィス等にデータ転送することも可能となっている。
従来の点群計測では作業者が観測ごとにスキャナや三脚の調整を行っていたが、Trimble X7は自動整準機能により作業者が傾きを調整する必要がなく、温度や計測距離などを自動でキャリブレーションするため手動調整が不要となっており、また連続観測した点群は自動合成されるので編集作業からも解放される。これらテクノロジーによってデジタルツインの省力化を実現するとしている。
□株式会社NikonTrimble
最先端技術でDXを加速する「Boston Dynamics Spot + Trimble X7」
リリース記事:https://www.nikon-trimble.co.jp/products/product_detail.html?tid=403