鴻池組がMRを活用したトンネル施工管理システムにDX技術を付加

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記事のポイント

・株式会社鴻池組(以下、鴻池組)と株式会社インフォマティクス(以下、インフォマティクス)が、「MR技術を活用したトンネル施工管理システム(トンネルMR)」にDX技術を付加し、遠隔臨場検査を実証したと発表した。

・トンネルや周辺地形、構造物を含んだCIMモデルに、施工時の計測データや切羽の観察記録など、実物情報を統合したデジタルツインをクラウドに構築し、空間アンカー機能を使い、トンネル坑内に正確に表示することで遠隔臨場を可能にしているという。

トンネルMRにDX技術を付加しMRを使った遠隔臨場検査を実証

鴻池組とインフォマティクスは、「MR技術を活用したトンネル施工管理システム(トンネルMRという)」にDX技術を付加し、トンネルや周辺の地形、構造物を含んだCIMモデルに、施工時の計測データや切羽の観察記録などの実物情報を統合したデジタルツインをクラウドサーバー上に構築。

MR技術によって座標を指定する機能である「空間アンカー機能」を使い、トンネル坑内に正確に表示することで、MRを使った遠隔臨場を可能にする新システムを開発した。

そして、近畿地方整備局兵庫国道事務所の指導の下、この新たな機能の実証実験が、名塩道路城山トンネル工事で行われ、R230mの急曲線を伴うトンネル坑内におけるMR表示精度の向上、各種調査データや計測データの自動表示を実現することで、遠隔臨場による岩判定など業務効率化への有効性を確認したという。

その新機能とは以下

1.空間アンカー機能の実証
一般的に、MRデータを現実空間に表示する場合、原点となる位置情報が必要である。しかし、新開発された「空間アンカー機能」では、一度MRデータを表示して登録することで、次回からその周辺を見まわすだけで、クラウドサーバーより情報を呼び出すことによる自動表示が可能になるという。

また、従来方式では、マーカーから離れるほど現実空間と仮想空間にギャップが生じてくるが、今回行われた実証実験では、トンネル坑内の所々に設けた空間アンカーによって、リアルタイムに位置の修正が行われることで、精度よくMRデータを表示することが確認されたそうだ。


出典:鴻池組

2.遠隔臨場システムの実証
トンネルMRで使用するMRデバイスの「HoloLens2」は、発注者による現場での立会検査をオンラインで会議化する「遠隔臨場」のデバイスとしても活用できる。今回開発された遠隔臨場システムは、リモート機能、オブジェクト配置、計測値や変状調査の記録を帳票に自動入力する機能など、トンネルMRを活用する工事現場のニーズが反映された各種機能を実装したシステムとなっている。

点検者はこのシステムを使用することで、現地でMRにより作図したひび割れラインや漏水箇所等のマーキングを行うことが可能となり、また写真や音声データを事務所側のPCにリアルタイムに送信し、帳票に自動で記録することや、現実空間のピンポイントな位置情報を、受発注者間で共有できる機能もあるとのこと。
今回の実証実験では、事務所側から確認すべきポイントを送り、トンネルMRを装着した点検者がそのポイントを確認する際の良好な操作性も確認されているという。


出典:鴻池組

遠隔臨場のよる岩判定
近畿地方整備局兵庫国道事務所の指導の下、城山トンネル工事にて遠隔臨場による切土法面の岩判定が実際に行われた。受発注者が、現場と約20km離れた兵庫国道事務所内の会議室にそれぞれ分かれ遠隔判定の実証実験を行っている。

実証実験は、一般的なTV会議システムや通信機器とトンネルMRを併用して行われ、現場の映像や音声、遠隔地からの指示や相互のコミュニケーションが、どのような品質で離れた場所に伝えられるかという点について、岩判定の検査手順に従い行われた。

結果、炎天下の中での現場検査員の映像や、岩盤をロック・ハンマーで打つ音が会議室にリアルに響き渡り、スクリーンには現場状況が大きく鮮明に映し出され、一般的なTV会議システムでも十分に遠隔臨場を実現する品質であることが確認されたそうだ。また、トンネルMRを使用した場面でも、城山トンネルの構造や法面、国道など周辺施設のMRモデルを重畳させた映像が、遠隔臨場システムにより会議室に届けられ、こちらも十分な品質の映像や音声であることが確認されている。


出典:鴻池組

国の重要施策で、インフラ分野におけるDXが進められている。鴻池組ではIoT、BIM/CIM、VR/MRをはじめとする最新デジタル技術を現場へ積極導入し研究を進めているが、今回のトンネルMR、遠隔臨場システムについても更なる改良を行い、現場の生産性向上・安全性向上に寄与していく考えだ。


株式会社鴻池組
MR技術を活用したトンネル施工管理システム(トンネルMR)にDX技術を付加
リリース記事URL:https://www.konoike.co.jp/news/2021/202109272863.html

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