記事のポイント
・三井住友建設株式会社(以下、三井住友建設)は、ロボット技術を活用した鉄筋組立の自動化システム「Robotaras®Ⅱ(ロボタラス®Ⅱ/ROBOT Arm Rebar Assembly SystemⅡ)」を、同社の能登川工場で製作するPC床版の鉄筋供給・配置・結束作業に導入している。
・このロボットを活用した自動化システムの導入は、2020年2月に導入された「Robotaras™」による鉄道構造物の軌道スラブに続くものとなる。
鉄筋組立の自動化による省人化で生産性が3倍に向上
三井住友建設は、ロボットを活用した鉄筋組立自動化システムの「Robotaras®Ⅱ」を、滋賀県の能登川工場で製作する、高速道路のリニューアル工事における橋梁の床版取替用プレキャストPC床版の鉄筋供給・配置・結束作業に導入した。
このRobotaras®Ⅱは、同社が2020年2月6日にリリースを出した、鉄筋組立自動化システム「Robotaras™」による鉄道構造物の軌道スラブ製造に続くもので、鉄筋組立を85%自動化することによって、3倍の生産性工場を実現したという。
出典:三井住友建設
このシステムによる鉄筋の組立作業の流れは以下となる。
まず鉄筋の供給段階として、外周に配置した11種類の「鉄筋供給機」がロボットアーム作業半径内に、鉄筋をコンベア搬送する。次に鉄筋の配置として、天吊りのロボットアーム2台が3種類の鉄筋配置用「鉄筋保持治具」を自動装着し、「鉄筋架台」に鉄筋を配置。
最後の鉄筋の結束では、市販の鉄筋結束機に自動脱着した天吊りロボットアーム2台と、装置の下部に設置した結束用ロボット1台の計3台で鉄筋を結束する。ロボットアームの先端には3次元カメラが設置され、鉄筋の結束時にプログラミング位置との配置誤差を認識し補正しながら、確実に結束を行うという流れだ。
出典:三井住友建設
形状が同じになるPC床版の鉄筋組立は、比較的単純作業の繰り返しとなっていることから、担い手不足の解消と作業負担の軽減、生産性向上を目的にこのシステムが導入されている。
作業員の作業は、鉄筋供給機への補充と鉄筋結束機にワイヤ充填を行うなどの補助業務と、結束した鉄筋の幅を保つために設ける幅止め筋などの一部自動組立の対象外となる鉄筋組立作業のみとなる。
これによって、鉄筋総重量の約85%が自動組立作業化されるという。従来は6人で2枚/日だった組立作業を2人で行えるようになり、省人化による3倍の生産性向上を実現している。
出典:三井住友建設
三井住友建設では「中期経営計画2019-2021」において「建設生産プロセスの変革」を基本方針の一つに掲げ、生産性向上に取り組んでいるが、引き続き同社のPCa工場の製造ラインでのシステムの適用拡大と、更なる開発を進め、自動化技術による生産性の向上を幅広く展開していくとのことだ。
□三井住友建設株式会社
PC床版製作に鉄筋組立自動化システム「RobotarasRⅡ」を導入
リリース記事:https://www.smcon.co.jp/topics/2021/09031300/
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