記事のポイント
・株式会社Synamon(以下、Synamon)と建設技術コンサルタントのハタコンサルタント株式会社(以下、ハタコンサルタント)は、施工管理者向けのVR安全パトロール研修を共同開発したと発表した。
・「施工管理者向けVR安全パトロール研修」は、安全管理や品質管理の研修ができるバーチャル空間を構築することで、いつでもどこからでも現場さながらの環境で研修を行うことを可能にするVRシステムとなっている。
安全管理や品質管理の研修が可能なバーチャル空間を構築。いつでもどこでも研修参加が可能に
「XRが当たり前の世界をつくる」をミッションとするSynamonは、建設技術コンサルティングのハタコンサルタントと共同で「施工管理者向けVR安全パトロール研修」を共同開発した。これを活用することで、いつでもどこからでも安全パトロール研修が可能となる。
足場の標識について学んでいる様子(出典:PRTIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000025330.html)
建設業では人手不足問題が深刻化している。総務省の「労働力調査(2021年6月発表)」によれば、2021年6月の建設業の就業者はピーク時である1997年度の685万人よりも約220万人減少している。また、日本建設業連合会が2015年5月に発表した「再生と進化に向けてー建設業の長期ビジョンー」では、2025年には新規技能労働者数が100万人近く不足するという統計も出ているという。施工管理技術者においても同様の状況が発生しており、建設現場において即戦力となる人材育成の必要性が高まっている。
人材育成の手段として大きな役割を担っているのが研修となっており、その種類は「座学研修」と「実地研修」だ。しかし座学研修のみでは当然ながら現場を体感できない。一方、実地研修においてはコストや準備の手間からできることに限りがあるという課題があり、結果的にOJT偏重となり、現場の教育者頼みにならざる負えないというのが実情となっているという。
これら課題を解決すべく開発されたのが、施工管理者向けVR安全パトロール研修である。安全管理や品質管理の研修ができるバーチャル空間を構築することで、いつでもどこからでも現場さながらの環境で研修を可能としている。
施工管理者向けVR安全パトロール研修のバーチャル空間(出典:PRTIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000025330.html)
座学の様子(出典:PRTIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000025330.html)
施工管理者向けVR安全パトロール研修の概要としては、安全管理上の間違いが仕掛けられたボックスカルバート工事の仮想現場で安全パトロールを行う。研修の参加者は研修会場や自宅からVR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を着用し、アバターとなり仮想現場へ集合。
足場のフックが外れている箇所を指摘している様子(出典:PRTIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000025330.html)
そこで施工設備に問題がないか、作業者の装備や作業位置に問題がないか、といった現場の安全パトロールを行う。従来の座学のように、決められた画角で撮影された写真や動画を見て学ぶのではなく、バーチャル空間内で自らが主体的に動き回ってそれらの間違いを探すことで、現場での実践に則したスキルや細かな誤りに気づく感性が養われるものとなっている。
支保工の幅を計測したり、状況をカメラで撮影している様子(出典:PRTIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000025330.html)
安全上の間違いがある仮想現場を間近で見ながらの不安全状態や不安全行動の学習、バーチャル空間上でのコンベックスによる測定やカメラでの撮影等の操作を通じて、従来の座学研修以上の学習効果、またあらゆる現場で汎用的に起こり得る危険なシチュエーションをバーチャル上に再現し、繰り返しの学習を可能とすることで、日常的に安全意識が高まる。
足場から屋上への長さを測っている様子(出典:PRTIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000025330.html)
足場の上下作業や作業員の服装について確認している様子(出典:PRTIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000025330.html)
研修の様子(出典:PRTIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000025330.html)
研修場所をバーチャル上に設けることで、実地研修のような準備時間もかからず、訓練場や訓練設備等の費用も削減できることから、コストや準備の手間の問題に関しても解決可能だ。
実地研修では実際に不安全個所を作ったりすることもあるが、当然準備も必要となり危険も伴うものとなる。バーチャル上で再現することで様々なシチュエーションを再現でき、繰り返しリアルな学習ができることは、今後の安全教育には不可欠なものとなる可能性を秘めている。
□株式会社Synamon・ハタ コンサルタント株式会社
Synamon、建設技術コンサルのハタ コンサルタントと「施工管理者向けVR安全パトロール研修」を共同開発
リリース記事(PRTIMES):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000025330.html
株式会社Synamon
URL:https://synamon.jp/
ハタ コンサルタント株式会社
URL:https://hata-web.com/