記事のポイント
・株式会社センシンロボティクス（以下、センシンロボティクス）は株式会社フジタ（以下、フジタ）と共同で、現場オペレータの介在を無しに現場内の安全巡視や測量を行う全自動のドローンシステムを開発した。
・システムは建設現場においては国内初となる、レベル3飛行（目視外補助者なし飛行）を可能としている。
目視外補助者なし飛行（レベル3）による測量と安全巡視の実現
センシンロボティクスとフジタが共同で、現場オペレータの介在なしで現場内の安全巡視や測量業務を行う、全自動ドローンシステムを開発。国内初となる目視外補助者なし飛行（レベル3）を実現したと発表した。
技術はセンシンロボティクスの提供する自動離着陸、自動充電、開閉式ハッチなどを備えた完全自動運用型ドローンシステムの「SENSYN Drone Hub（センシンドローンハブ）」と、フジタの建設現場での安全巡視ノウハウや、簡易ドローン測量「デイリードローン®」、測量用の標定点を設置せずに高精度な出来形計測が可能な「斜め往復撮影ドローン」といった技術が組み合わせられたシステムとなっている。
指定時刻に基地からドローンが自動的に離陸。事前指定されたルートを通り、測量と安全巡視を実施後に自動で着陸し、充電を実行する機能を現場実用レベルまで向上させたという。
システムは徳島県小松島市で施工中である「令和元ー4年度横断道羽ノ浦トンネル工事」にて、全自動ドローンによって、1日当たり安全巡視2回、写真測量1回の作業を1ヶ月間おこなった結果、出来高管理に必要な業務時間を従来から1/4にまで短縮し、従来必要であったドローンの操作や補助に係る人員2名が不要となり省人化できることも確認されている。
出典：センシンロボティクス
この技術は2年前から開発に着手され、複数現場での実証試験により改良が繰り返され、建設現場での運用に対応できるように機能向上されてきた。現在、ドローンの目視外補助者なし飛行は許可申請が必要となるが、将来的に目視外飛行や無人飛行に関する各種の規制要件が緩和されることを想定して、この度の現場での無人運用に至ったそうだ。
尚、過去の実証試験の内容は以下となる。
□センシンロボティクスは、フジタの建設現場において 完全自動運用型ドローンシステム「SENSYN DRONE HUB」を活用した 安全確認・警備監視用の実証実験を実施
https://www.sensyn-robotics.com/news/case_sensyndronehub_fujita
□センシンロボティクス『SENSYN DRONE HUB』を活用した 安全巡視・土木測量の機能検証をフジタの建設現場にて実施
https://www.sensyn-robotics.com/news/case_fujita-2
出典：センシンロボティクス
技術の特徴
・自動写真測量：「デイリードローン®」「斜め往復撮影ドローン」の技術を導入
・自動安全巡視：遠隔監視システム「SENSYN CORE Monitor」を活用し、現場事務所や遠隔拠点から現場内の様子をリアルタイムに把握可能。撮影後の画像確認時にはデータ格納システム「SENSYN CORE Datastore」を活用し、AIを活用した対象物の自動抽出機能によって撮影日の異なる同じ場所の画像を比較することで、現場の変化を把握しやすくするメニューも搭載し、安全巡視業務の高度化を実現。
SENSYN CORE Monitor
ドローンや様々なデバイスに対応した遠隔監視を可能にする。リアルタイム映像とともに地図上の自機位置や飛行予定ルート、電波状況やバッテリー残量などの状態監視を遠隔・複数拠点で行うことが出来る。
SENSYN CORE Datastore
ドローンやロボット等が取得したデータをクラウド上で一元管理できる機能。位置情報と紐付けて地図上から確認、不具合箇所のマーキングやコメント記入、画像の比較表示など成果物の目視点検を効率的に行える機能を多数有している。
技術の導入効果
・ドローン飛行の操縦者と補助者が不要で100%の省人化
・現場の出来高測量と安全巡視業務の時短で効率が50%アップ
・独自ドローン技術を導入した自動写真測量で出来高測量業務の時間を従来の1/4に短縮
・日々の出来高を土量推移で把握でき工事原価を適正管理
・空撮で日々の施工進捗が可視化されるため、施工計画の変更などにも即時対応可能
出典：センシンロボティクス
□株式会社センシンロボティクス
「全自動ドローン」で建設現場内の測量と安全巡視の無人化 -目視外補助者なし飛行（レベル3）による測量と安全巡視を実現-
リリース記事：https://www.sensyn-robotics.com/news/fujita-4
