三井住友建設がタワークレーンの運転支援システム開発へ着手

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記事のポイント

・三井住友建設株式会社(以下、三井住友建設)は、株式会社IHI(以下、IHI)とIHI運搬機械株式会社(以下、IUK)との共同で、タワークレーンの運転支援システムの開発に着手したと発表した。

・このシステムは、クラウド上に構築された三井住友建設の施工情報システムと、IHI、IUKのクレーンの自動化運転技術を連携し、これまで手動で行っていたタワークレーンの操作を支援するシステムとなる。

BIMデータの活用で安全性と生産性を向上

三井住友建設は、IHIとIUKとの共同で、タワークレーンの揚重作業における安全性と生産性を向上させる運転支援システムの開発に着手した。クラウド上に構築している三井住友建設のBIM施工データやプレキャスト部材データ、作業工程データを統合し一元管理するシステムに、IHIとIUKのクレーン自動化技術を連携させ、従来では現場単位で計画して手動で行われていたクレーン操作を支援するものである。

三井住友建設の超高層マンション建設では、PCa部材でのスクライム工法や、最短3日で1フロアの躯体を構築するシステム施工法(DOC工法)などの独自技術を有している。しかし、建設現場では部材情報や作業工程の確認を個別の図面や表を持用いって作成しており、生産性の向上には施工計画と管理のデジタル化が必須であった。

また、タワークレーンの操作については経験豊富なオペレーターが必要となるが、昨今の人手不足による安全性の低下も懸念されている。そこで、BIMデータを基に各種データを登録した施工情報システムをクラウド上にも構築、タワークレーンの制御データとして活用する運転支援システムの開発に至ったという。


出典:三井住友建設

システムは、クラウド上で統合したデータを活用してPCa部材の荷取場から取付位置までの最適な揚重経路の自動生成と、取付位置上空までの自動誘導によってオペレータの運転操作を支援する。流れは以下。

1.クラウド上の施工情報システムに、BIMデータを基にした施工計画情報(PCa部材情報、取付位置や順序など)を登録。

2.現場に搬入されたPCa部材に貼付されたRFIDタグを読み取り自動判別。(出荷工程管理システム「PATRAC-DL」)


出典:三井住友建設(PATRAC)

3.施工計画に基づきクレーン自動誘導システムが最適な揚重経路を自動生成。オペレーターがモニターで確認、PCa部材の荷取場から設定位置上空まで自動誘導する。

三井住友建設では建設生産プロセスの変革を基本方針のひとつに掲げており、デジタル化による建設現場等における生産性と安全性の向上に取り組んでいる。今後タワークレーン運転支援システムの実証実験を経て現場への早期導入を目指す。


□三井住友建設株式会社
タワークレーン運転支援システムの開発に着手― BIMデータの活用で安全性と生産性を向上 ―
リリース記事:https://www.smcon.co.jp/topics/2021/07011100/

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