記事のポイント
・鹿島建設株式会社(以下、鹿島建設)と株式会社リコー(以下、リコー)が、国交省北陸地方整備局発注の大河津分水路新第二床固改築Ⅰ期工事において、リコーが開発した「リコーバーチャルワークプレイス(以下、VWP)」を導入したと発表した。
・VWPは、VR空間で多人数が同時にリモート接続ができるシステムとなっており、VR空間内でBIM・CIMモデルや点群データ、現場のライブカメラ映像などを共有できるとのことだ。
点群データ、360°写真、現場ライブ映像などを多人数で同時確認可能
鹿島建設とリコーは大河津分水路新第二床固改築Ⅰ期工事で、リコーの開発した「VWP」を導入。新たな現場遠隔管理に向けた取り組みを開始した。
VWPはバーチャルリアリティ(VR)空間の中で多人数が同時にリモート接続できるシステムである。国交省北陸地方整備局信濃川河川事務所、鹿島JV事務所、鹿島本社の3拠点からBIM/CIMモデルや点群データ、現場カメラのライブ配信映像をVRを空間内で共有できることが確認されたという。尚、システムは2021年5月より運用が開始されている。
このシステムによってVRと現実空間が融合され、遠隔地からであたかも建設現場にいるような感覚で、同じ情報を共有しながらコミュニケーションや意思決定を行うことが可能となる。
出典:鹿島建設
建設現場では複数の関係者が集って現物を確認し、コミュニケーションを取りながら意思決定を行う場面が多い。一方で、近年ではIoTの発展とともに、生産性向上や新型コロナウイルスの感染対策を目的に、建設現場においても遠隔臨場やリモートワークなどの新たな働き方が求められている。
様々な資料を用いて関係者全員が建設プロセスやイメージを共有することは一層難しくなり、合意形成に時間を要する場合もあったという。このような状況からVWPの導入・活用に至っている。
VWPは、ネットワークに接続されたパソコンとVRゴーグル、VWPアプリケーションを用い、遠隔から多人数が同時に同じVR空間に入る。VR空間内では各人は自由な視点でコミュニケーションができるシステムだ。尚、特長は以下。
出典:鹿島建設
・VR空間内にBIM/CIMモデル、360°写真、3Dスキャナで計測した点群データ等を反映できるため、遠隔地から現場状況を現地で立ち会っているのと同等に確認可能。
・VR空間では互いに自由な会話ができるとともに、3Dスキャナで計測した構造物の点群計測や電子書類の確認や書類へのサインを行えることから、遠隔臨場での立ち会いも可能。
・今回適用された工事では、現場カメラのライブ配信映像をVR空間内で共有できる機能が新たに実装されているとのことで、これによって複数の遠隔地から現場の映像を見ながら打ち合わせが可能。
今後も鹿島建設では、このシステムを積極的に活用しながら適性な意思決定に役立てていく。また、リコーと共同で360°カメラのライブ配信映像の組み込むなど、更なるシステムの高度化や現場管理ツールとの連携を進めることで、デジタル時代にふさわしい新たな現場管理・働き方を発信していくとのことだ。
□鹿島建設株式会社
VR空間を利用した新たな現場遠隔管理を実現
点群データ、360°写真、現場ライブ映像などを多人数が同時に確認可能
リリース記事:https://www.kajima.co.jp/news/press/202106/24c1-j.htm