記事のポイント
・首都高技術株式会社(以下、首都高技術)と株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、2019年度からドローンでの定期点検前スクリーニングとして共同研究を実施しており、この度大型・小型ドローンを併用し、くまなく橋梁を点検する手法を確立した。
・大型ドローンは広範囲の撮影、小型ドローンは橋梁の内部の撮影を行い、足場が組みづらい橋梁点検において作業の効率化を図るものとなっている。
足場が組みづらい水上での点検を効率化する手法
首都高技術とドコモは、大型ドローンと小型ドローンを併用し、くまなく橋梁を点検できる手法を確立した。大型のドローンは広範囲の撮影を行い、小型ドローンは橋梁内部の撮影を行うことで、足場が組みづらい橋梁点検において作業効率化を図る。この新手法は今後急増するとされる定期点検前のスクリーニングでの活用を想定しているという。
出典:NTTドコモ
首都高速道路など都市高速道路における橋梁は、人口密集地帯かつ海上などの離発着場所が限られる飛行環境であり、従来のドローンでは点検が困難であった。
今回確立された手法は、大型ドローンと小型ドローンの2種を併用した手法となり、大型ドローンには高精細カメラを搭載し広範囲を撮影。あらかじめ決めたルートを自律飛行し、効率的にスクリーニングを行う。小型のドローンは、大型ドローンが入り込めない場所である橋の入り組んだ箇所に入り、外角からは見えない箇所を撮影する。
大型ドローン
LiDARやステレオカメラを搭載し自律飛行を行う機体が用いられた大型ドローンは、橋梁下であらかじめ設定されたルートを決められた速度で自律飛行する。点検前スクリーニングで活用可能な画像を取得するためにライトなども用いられている。
出典:NTTドコモ
小型ドローン
上下6個の魚眼レンズで360°障害物回避機能を有する自律飛行可能な機体が用いられている小型ドローンは、約90cmの桁内部に入り込み、カメラを上下180°稼働させることで、従来では撮影困難なエリアを撮影することができる。また小型のため限られた点検スペースからの離発着が可能である。
出典:NTTドコモ
これらで撮影された画像・映像はドコモのドローンプラットフォームである「docomo sky®」で管理される。これまで橋梁で撮影された画像や映像はGPS情報が取得しづらいため、撮影された場所との紐付けが困難だったそうだが「docomo sky®」を用いることで、画像や映像と場所を紐付けて確認することができるようになり、異常箇所を効率よく確認することが可能になるとのこと。
出典:NTTドコモ
今後、両社ではこの点検手法を橋梁点検で用いるとともに、さらなる運用向上に取り組んでいくとのことだ。
□株式会社NTTドコモ
首都高技術とドコモ、大小 2 種類のドローンでくまなく橋梁点検する手法を確立
~足場が組みづらい水上での点検を効率化~
リリース記事:https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/info/news_release/topics_210601_00.pdf