記事のポイント
・株式会社奥村組(以下、奥村組)が、外壁タイルの打診調査の省力化を目的として開発した「外壁タイル打診調査支援システム」を拡充し、その適用範囲をタイル以外の壁面や床面などにも拡大した。
・このシステムは、測域センサーで検知した指示棒の位置情報とタイルの劣化情報を合わせて記録する。今回タイル仕上げ以外にも適用できるよう、調査対象に合わせて任意に設定できるように改良を行っている。また事前にCADデータを取り込めるようにすることで、図面上に位置のプロットと劣化状態を記録できるようになった。
現地調査の迅速化と省力化をタイル以外の壁面・床面にも適用できる
この度奥村組は、外壁タイルの打診調査の省力化を目的として開発した「外壁タイル打診調査支援システム」の改良を行い、タイル仕上げ以外の壁面や床面にも適用できるようシステムを拡充した。
今回の拡充の基となる「外壁タイル打診調査支援システム」は2018年の5月に同社よりリリースされている。(当時リリース記事:https://www.okumuragumi.co.jp/newsrelease/data/18051002.pdf)
システムの概要としては、ウェアラブル端末と小型センサー等の機器を使い、打診調査員が判別したタイルの異常などを手持ちのスイッチで簡単に記録し、測域センサー(3Dスキャナ)で検知した打診棒の位置情報が付加される仕組みとなっている。
調査しているその場で調査結果を図面や数量としてデータ化できるとともに、記録されたデータはCADソフト上で図面にプロットしたり、表計算ソフトで集計することができ、調査から報告書作成の一連の作業が迅速・省力化が可能だ。
出典:奥村組(これまでのシステム)
この従来のシステムを外壁タイル以外の壁面や床面にも適用できるように、記録する状態情報などの入力項目を調査対象によって任意に設定できるように改良。加えて調査対象のCADデータを事前に取り込めるようにすることで、現地調査時に容易に位置情報と状態情報を図面上に記録できるようになっている。
出典:奥村組
また、従来のシステムでは主体が頭部に装着するウェアラブル端末であったが、それをスマートフォンに変更することで、さらに操作性が向上するとともに日本語入力機能の強化を実現した。
出典:奥村組
外壁タイルは定期的な全面調査が義務付けられているが、その調査業務と結果の整理に多大な労力が必要になるという背景から、奥村組では2018年のシステム開発に至っているが、建設業においてはタイル以外の壁面や床面についても調査が必要な場面があり、それらについても省力化技術が求められていることから、今回のシステム拡充に至っている。
システムに使用する各種端末機器の調達も容易なことから、今後様々な対象の調査ツールとして積極的に展開していくとのことだ。
□株式会社奥村組
「外壁タイル打診調査支援システム」を改良し、適用範囲を拡大
リリース記事:http://www.okumuragumi.co.jp/newsrelease/data/210204.pdf
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