記事のポイント
・大和ハウス工業株式会社が、2018年4月より開発・実証実験を行っている耐火被覆吹付ロボットを実現場に初めて導入した。
・通常では３人の職方を要する耐火被覆吹付作業において、作業全体にかかる時間を約30％削減させることが可能となる。
現場の働き方改革。耐火被覆吹付けロボットを導入。BIMとの連携も
大和ハウス工業株式会社（以下、大和ハウス工業）は、鉄骨の柱や梁をロックウール・やルタルで耐火被覆吹付するロボットを、神奈川県横浜市の建設現場の実工事に初導入した。（ロックウールとは玄武岩や鉄炉スラグなどに石灰等を混合した人造鉱物繊維）ロボットは大和ハウス工業が2018年4月より開発・実証実験を行っているもので、実現場への導入は今回が初となる。
出典：PRTIMES
大和ハウス工業が実工事に初導入した「耐火被覆吹付ロボット」は、産業用ロボットアームと走行台車、昇降台車を組み合わせて構成されている。
通常、鉄骨の柱・梁をロックウールやモルタルで耐火被覆吹付する場合、作業には3人の職方が必要となるが、ロボットを活用することで、作業全体に要する時間を約30％削減できる。尚実証実験時には約20％削減だったそうだが、今回の導入ではそれを上回る結果となっている。
ロボットのポイント
１．ロボットアームの配置方向を横向きに設置することで吹付範囲を拡大
実証実験で使用していた試作機は、ロボットアームを縦向きに設置していたそうだが、今回のものでは横向きに配置している。そうすることで柱の最下部などの吹付が困難とされていた部分にもアームが届くようになり、吹付可能範囲が大幅に広がった。
出典：PRTIMES
２．走行台車のタイヤに「メカナムホイール」を採用することで、全方向に移動可能
走行台車の車輪には「メカナムホイール」を採用することで、縦・横・斜めなど全方向への移動を可能とし、建設現場の限られたスペースでの使用が考慮されている。また「メカナムホイール」は移動誤差を数cm以内という細かい移動も可能ということだ。
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３．パンタグラフ式昇降台車により吹付可能高さ7mを実現
実証実験で使用されていた試作機では、昇降台車に吹付可能高さ4ｍのスライド式リフターを設置していたが、今回のものではパンタグラフ式リフターへ変更され、上昇用シリンダーを立てに設置することで、省スペース化と吹付可能高さ7mを実現している。
出典：PRTIMES
４．図面データを用いて経路計画を作成し、誤差数cmで吹付位置の調整が可能
図面データにある部材の大きさや距離等の情報から、吹付に必要な経路計画を自動生成可能。また、作業を行う上で必要なデータ入力項目を削減するためにBIMとの連動を想定した仕様となっている。位置の認識には株式会社トプコンの3次元計測機「LN-100」と計測時に使用する「プリズム」を併用することで、誤差数cmの精度で吹付位置の調整が可能となった。
出典：PRTIMES
同社では、今後この耐火被覆吹付ロボットの複数現場への導入を目指し改良と運用体制の検討を進めるとのことだ。
□大和ハウス工業株式会社
建設現場の働き方改革「耐火被覆吹付ロボット」実工事に初導入
https://www.daiwahouse.com/about/release/house/20210105085348.html
