こんにちは。2020年の春頃から通信キャリア各社がスタートした期待の5G通信。約半年経過した10月現在、まだまだ大手キャリア3社をしても、そのエリアはWi-Fiスポットの如く限定的なものです。
そんな感じで、携帯電話に関してはまだまだ5Gの回線契約は愚か、対応端末を持つメリットもほとんどないというのが現状。今後の急速なエリア拡大に期待する他ありません。
そんな5G通信ですが、産業用途に関してはその活用方法が色々と模索され、新たな技術が可能になったりしているのはこのブログでも何度かご紹介させていただいています。
本日は「ブルーイノベーション株式会社」と「京セラ株式会社」が、ドローン分野で5G通信を活用した新たなソリューションを開発したというニュースがありましたので、そちらをご紹介したいと思います。
5G通信デバイスを利用したドローンの新規ソリューション
ブルーイノベーションと京セラは、ブルーイノベーションの開発した複数のドローンやロボットを制御・管理するシステムプラットフォームの「BEP(Blue Earth Platform)」と、京セラの無線通信端末技術を融合させ、ドローン分野での新たなソリューションを共同開発。
BEP(Blue Earth Platform)とは
ミッションをベースとした複数のロボットを統合管理するプラットフォーム。任意の地図情報や物体の位置情報、それらオブジェクトの属性情報を統合・管理することで、ロボットの自動制御による業務ミッション達成を実現。
出典:ブルーイノベーション
この技術は、先日幕張メッセで開催された「Japan Drone2020」にて展示紹介されています。
5Gコネクティングデバイスを利用したドローン新規ソリューション
ドローンやドローンポートに設置したカメラや各種センサーの情報を、京セラ開発の5Gコネクティングデバイスを活用し、ブルーイノベーションのBEPへ伝送することで、様々なソリューションを実現。
5Gコネクティングデバイスは、ドローンやロボットに搭載可能な小型の通信端末で、5G通信により「高速大容量」「多接続」で、センサーの情報をサーバーへ伝送することが可能。
ブルーイノベーションのBEPは「複数台の飛行・群制御」「非GPS環境下での自己位置推定技術」「物流用ドローンポートの運行管理」「AI解析連携」等に強みを持っており、センサーからの大容量の情報を活用し、高精度かつ安全なドローンの飛行や効率的な業務フローを実現します。
この技術は秋からプラント点検及び物流の各ソリューションで実証実験を実施する予定とのこと。
1.プラント点検におけるソリューション
プラント点検においては、「ドローンで撮影した映像を安全に管理したい」「その場で点検結果を確認したい」というニーズがあり、このソリューションでは、ドローンで撮影した映像をリアルタイムでサーバーへ伝送し、安全に格納しつつ、AIなどで解析した結果を現場の点検員に伝送することを実現。
出典:ブルーイノベーション
2.物流ドローンにおけるソリューション
物流においては、ドローンの離発着エリアであるドローンポート周辺の安全性の確保や、ドローンの飛行状態の監視が求められています。
このソリューションでは、ドローンポート周囲を監視しているカメラ映像をリアルタイムで航空管制室へ伝送したり、AIで周囲の安全性を解析したりすることで、ドローンの離着陸の安全性を確保します。
出典:ブルーイノベーション
まとめ
プラント点検、物流ドローンの両技術ともに、ドローンの映像をリアルタイムに伝送したり、大容量の情報を扱う所が5G通信の主な活用部分となっています。
多くのドローンのソリューションの中には4G通信などを活用する技術もありますが、現状では上空での携帯電波の利用には案件ごとに総務省への申請が必要となっています。これも法改正が検討されており、2020年の後半にはドローンの携帯電波利用が解禁される見込み。
また、昨年の成長戦略の閣議決定では、2022年度には都市部での目視外飛行の実現という目標も打ち出されており、これにより携帯電波網を利用した目視外飛行の活用も進んでいくでしょうし、5G通信が広く普及してくればそこからさらにソリューションの進化も進みそうです。