BIM対応現場完結型の3Dレーザースキャナが登場

sugitec

こんにちは。点群データの活用がトレンドになってきている土木・建設業界ですが、その活用方法は様々。スギテックでも3Dスキャナを活用し、建築物をまるごと3次元化データで保存しての検証や簡単な外壁の調査などに活用しています。

通常は3Dスキャナでは機器で撮影後にパソコンへデータを取り込んでから処理をおこなっていきますが、この度現場でそのままデータをアウトプットできるスキャナが登場しています。

現場での点群合成から設計データとの比較までを可能にしたBIM対応3Dレーザスキャナ

以前、MicrosoftのHoloLensとヘルメットを合体させた現場向きの製品をリリースした「株式会社ニコン・トリンブル」という企業の話題を書きましたが、今回の3Dレーザスキャナも同企業からのリリースとなります。

リリースされるのは現場完結型の3Dレーザスキャナ「Trimble X7」という機種。5.8kgの小型軽量となっており、装着する三脚も軽量で堅牢なカーボン製で、気軽に現場に持ち出せるように機動力が高いモデルになっています。


出典:ニコン・トリンブル

点群計測の際の設定も簡単にできるようになっているとのことで、初心者でも直ぐに現場で点群データの取得と合成が行えるとのこと。

合成した点群データは専用のコントローラー上で2D/3D設計データと比較検討が出来るそうで、進捗の管理から品質の検証まで現場にいながらにして完結できるようになっているそうです。

製品の概要

Trimble X7は、予め容易した設計データに合わせて点群計測できることはもちろん、何もない状態からでも任意の複数点から観測を行うだけで点群を合成し、データをその場でアウトプット可能な仕様に。


出典:ニコン・トリンブル

作業員が専門知識を持っていない場合でも、高品質な点群データの取得ができる自動機能が備わっています。

特長1.自動整準で簡単にスタート

従来の3Dスキャナの設置で必要だった整準作業が不要。傾けて設置されていたとしても、水平に設置した場合と同様のデータを取得できるという「自動整準機能」で、5°までの傾きで3”精度で自動整準を行い、45°までの傾きであればスキャン後の合成時に自動補正を行うとのこと。この機能により誰にでも簡単にスキャンを行うことができます。


出典:ニコン・トリンブル

特長2.自動キャリブレーションで観測ごとの設定が不要

計測ごとに機器の傾き、周辺気温と機器内部の温度、コリメーションエラーチェックによる角度補正、反射強度による測距距離補正を行うことで、毎回の計測を校正直後の品質で実施。スキャン中も振動や移動をモニタリングすることでデータを最適化します。


出典:ニコン・トリンブル

特長3.自動合成で手戻りの不安解消

観測と並行してバックグラウンド処理で点群合成を実施。点群のオーバーラップを自動で検知し、次の観測を行っている間に手元のコントローラではバックグラウンド処理で、直前の観測データの自動合成を実施。点群データの取得漏れを随時確認しながら手戻りのない観測作業を実現しています。


出典:ニコン・トリンブル

特長4.自動パノラマで高画質画像も取得

3つの高解像度カメラを搭載しており、写真のつなぎ目のなめらかな高画質パノラマ画像を記録。フルドームの写真撮影も最短で1分で可能。


出典:ニコン・トリンブル

特長5.高感度モード搭載で観測対象も拡大

高反射面などの観測に適した高感度モードを搭載しており、金属配管やアスファルト面などの観測にも適応。

特長6.設計データとの比較でQC/QAが現場で完結

建築設備では馴染みのあるというソフトウェアの「FieldLink」を採用。属性情報を持ったBIMの標準データ形式IFCをはじめ、SketchUpファイルの読み込み、2D/3D DWGデータ、Digital PDF、座標データの読み込みに対応しているので、現場での器械設置、設計データとの比較が容易。


出典:ニコン・トリンブル

特長7.アノテーション機能でデータ記録も万全

タブレット端末を使って現場で撮影した写真などのメモを、点群中にタグ付けし、Trimble RealWork等の点群処理ソフトウェアで現場情報を確認可能。

3Dモデル化例

ビルや設備の改修時に点群で3D設計データを起こし、設計を検証する工程で効果を発揮。すでにBIMを積極的に導入しているユーザーからこれから3Dスキャナを導入するユーザーまで幅広く活用できるようになっています。


出典:ニコン・トリンブル

まとめ

かなり多くの特長を持ったこの3Dスキャナ「Trimble X7」ですが、測量に関する専門知識がない人であってもこれらを活用し簡単に高品質なデータが取得できるのは大きいですね。

昨今では3Dスキャナの活用方法も増え、機材の価格帯もそれなりに導入がしやすいものになってきました。今回の製品は今後の導入をお考えの方には有力な選択肢になる製品になっていると思います。

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