こんにちは。2018年に「株式会社NTTドコモ」が提供を開始したドローンプラットフォームの「docomo sky」。
通信キャリアとして既に全国的に存在しているモバイルネットワーク資産を活用し、常にドローンとプラットフォームが4G通信のネットワークで接続することで、機体の情報管理や飛行ルート、取得データ等の一元管理を可能にしています。
その「docomo sky」を、さらに多くの企業等の幅広く利用してもらうことを目的とし、新たに5つの機能を実装し、またそれに合わせた料金プランを見直しての提供を開始しました。
用途に応じた最適な機能と料金プランを選択可能に
同社では、業務にドローンを活用するあらゆる企業の幅広い利用を目的とし、現在サービス提供しているドローンプラットフォームの「docomo sky®」に、ドローンから撮影した静止画や動画を閲覧しやすくする機能や、AIを活用した鉄塔の錆の自動検知機能などの5つの新機能を2020年7月6日から追加しています。
また、この新機能の拡張に合わせて従来の料金プランも見直し、従来は1つだったプランをユーザーの用途や使用頻度に応じて選択可能にし、プランを3つに変更しています。
新たに追加された機能の概要
1.バーティカルビューワー
ドローンで撮影した高層建造物等の静止画を高度や方角ごとに整列させて表示。高度の高い静止画から順番に上下に表示し、同じ高度上で撮影した静止画を方角ごとに揃えて横に並べることにより、画像確認作業の効率向上に寄与。
出典:NTTドコモ
2.動画ビューワー
ドローンで撮影した動画を管理・確認することが可能に。また、今後の新機能追加においては動画へコメントを付けられる機能を提供予定とのこと。
出典:NTTドコモ
3.鉄塔点検アプリ(高層建造物点検用)
ドコモの基地局点検に培ったノウハウを活用した、ドローン操縦者が容易にドローンをコントロールできるタブレット端末向けのアプリ。鉄塔点検アプリ上で高層建造物の高度やドローンとの距離などを事前に設定することで、ドローンの準自動飛行や自動撮影が可能になります。
また、鉄塔点検アプリを通し、現場からdocomo sky上へ撮影画像のアップロードが可能となるため、遠隔地になる事務所に点検内容を共有することが可能。このアプリの活用で、鉄塔だけでなく様々な高層建造物の点検品質の平準化を実現可能です。
出典:NTTドコモ
鉄塔点検 利用イメージ
鉄塔の高度やドローンとの距離などを事前設定することで、ドローンの準自動飛行、自動撮影が可能に。撮影後はSDカードをタブレットに差し替えることで、事前に設定したフライト計画に紐付いた高度や角度の情報をもとに撮影した静止画を自動分類し、docomo sky上にアップロードします。
点検者はweb画面を通じて、各撮影角度からの画像を高度ごとに確認できます。また、鉄塔点検アプリを活用し、点検実施現場から静止画をアップロードすることで、現場から離れた事務所等にいる点検者に画像を共有することが可能になります。
出典:NTTドコモ
4.ライブ配信アプリ
ドローンで撮影した映像を多拠点へ同時中継できるタブレット端末向けアプリ。ライブ配信アプリを活用することで、ドローンで撮影した現場状況を遠隔地でも把握することが可能に。
docomo skyの管理画面から撮影映像を確認できるだけでなく、過去の映像をアーカイブすることも可能です。
出典:NTTドコモ
ライブ配信アプリ 利用イメージ
災害現場など人の立ち入ることが困難なエリアの状況をドローンにより撮影し、ライブ配信アプリを活用することで、安全かつ迅速に災害対策本部等から災害状況を把握することが可能に。
また、ライブ配信アプリは多拠点に同時配信が可能なため、災害対策本部だけでなく、現場事務所、避難所など、さまざまな拠点からPCやタブレット、スマートフォンを通じて災害現場の映像を同時に確認することが可能。
出典:NTTドコモ
5.AIサビ検知
鉄塔の保守作業向けの機能として、ドローンで撮影した鉄塔画像から自動でサビを検知するAI解析。これによって鉄塔の点検時に一次点検として問題ない箇所を先に除外するスクリーニングや、AIでのサビ具合の自動検知・解析が可能となります。
AIサビ検知では、ドコモの開発した画像認識技術を活用し、サビの有無を検知可能な「鉄塔サビ検知」と、Automagi株式会社とのAPI連携により、サビの有無だけでなく、サビの劣化度も画像認識で検知可能とする「AMY INSIGHTサビ検知」の2種類があります。
出典:NTTドコモ
提供形態と新料金プラン
プランは「提供プラン利用型」と「受託利用型」の2つの提供形態から選択可能に。
出典:NTTドコモ
まとめ
従来のものと違い、機能や料金プランがある程度分類されたことで、高層建築物の点検から災害対策まで活用可能な、ユーザーにとっても活用イメージがしやすい内容になっています。
このdocomo skyが登場した当時は、まだまだ検証や技術開発が足りていなかった印象が大きかったですが、あれから九州おひさま発電株式会社でのトライアル提供や、東京電力ホールディングスとの連携、提携などがありました。
それを経た今回の新機能発表。他お馴染みの大手通信キャリア2社でも似たようなサービスが存在しますが、今回のdocomo skyのように細かな金額設定はありません。
まずはドコモが具体的な形を提示してきた訳ですが、おそらく他2社も追随してくるかもしれませんね。